2019年7月22日(月)

FRB、19年は利上げゼロ 量的引き締めも9月終了

2019/3/21 3:04
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【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で先行きの政策シナリオを協議し、2019年の想定利上げ回数をゼロに引き下げた。海外景気の減速を警戒し、米国債など保有資産の縮小も9月末で終了する。20年に1回の利上げを見込むものの、金融危機時の大規模緩和を縮小する「金融政策の正常化」は、前倒しして終結に向かう。

FRB本部ビル(ワシントン)=ロイター

20日の会合では、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、投票メンバー10人の全員一致で年2.25~2.50%のまま据え置いた。パウエル議長は20日の記者会見で「海外経済の成長鈍化が逆風となり、米経済も予想より減速している」と述べ、18年12月に続く追加利上げを見送った。

今後3年間の金融政策シナリオも公表した。19年中の想定利上げ回数はゼロとなり、18年12月時点で見込んだ2回から、わずか3カ月で大幅に引き下げた。FOMC参加者17人のうち11人が「ゼロ回」と主張。15年末から3年続いた利上げサイクルは、事実上休止することになりそうだ。

ただ、20年の政策シナリオは参加者17人の中央値が「1回の利上げ」となった。7人が「ゼロ回」を主張する一方で、1回以上の利上げを見込む参加者が10人いた。FOMC参加者の見方は割れており、20年の利上げシナリオは、成長率やインフレ率がどこまで高まるかにかかっている。

米国債などの保有資産を縮小する「量的引き締め」も19年9月末で停止すると決めた。FRBは08年の金融危機後の量的緩和で米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を大量に買い入れた。資産量は危機前の9千億ドルから4兆5千億ドルに膨張し、市場に流れ込んだ緩和マネーが金融システムを下支えしてきた。

景気回復に伴って、17年秋から保有資産の縮小に転じていたが、海外経済の減速や世界的な株価下落で早期に終了することにした。当初は終了時期を21年から22年にかけてと想定していたが、大幅に前倒しする。資産量は現時点の約4兆ドルから3兆5千億ドル強に減る見込みだが、市場には緩和マネーが大量に残されることになる。

同時にFRBは保有資産の構成も入れ替える。現時点で2兆2千億ドルある米国債は、9月末で資産圧縮を完全に停止する。1兆6千億ドルあるMBSは10月以降も償還などで保有量が減るものの、減少分は米国債に再投資して、保有債券全体の量が減らないようにする。

パウエル議長は記者会見で利下げの可能性も問われたが「現時点で、どちらかの方向に動く必要性を示すデータはない」と述べた。市場に浮かぶ早期の利下げ観測をけん制する一方で、利上げも当面棚上げする考えを強調した。

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