2019年5月24日(金)

ベネズエラ出身指揮者、政権批判 母国「ひどい」

中南米
2019/3/21 1:07
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米国を拠点とする世界有数のオーケストラ、ロサンゼルス・フィルハーモニックが公演のため来日し、20日に都内で記者会見した。南米ベネズエラ出身の音楽監督で指揮者のグスタボ・ドゥダメル氏は米国の制裁強化で大きく混乱する母国の現状を「受け入れられない。ひどい」と表現した。

20日、都内で記者会見するドゥダメル氏

ドゥダメル氏の非難は米国の制裁そのものでなく、これを招いた反米左派のマドゥロ大統領の強権に向けられたようだ。

ドゥダメル氏は1981年生まれ。ベネズエラの無料の青少年向け音楽教育プログラム「エル・システマ」でクラシックの基礎を学び、指折りの指揮者に成長した。

このプログラムは1975年に創設された。大統領に99年就任した反米左派のチャベス氏の支援で規模が拡大した。米国が退陣を迫るマドゥロ氏はチャベス氏の政策の多くを引き継いだが、ドゥダメル氏は会見で「民主的でない」と批判した。「いまは危機かもしれないが、終わりは来る。その時に音楽が国をいやす、人々をまとめる役割を果たせる」とも述べた。

「エル・システマ」出身で成功したドゥダメル氏は政府に近い立場だった。だが、17年、マドゥロ政権に反発する姿勢を示すと、指揮を予定していたベネズエラ国立ユースオーケストラの米国公演がキャンセルされた。

この出来事を念頭にドゥダメル氏は「言論の自由がないのは悲しい」と会見で主張した。「この2年半ほどは帰国していない」とも明かした。母国にいる家族らとはインターネットを通じ連絡をとっていると説明した。

産油国のベネズエラは原油価格の低迷で財政が破綻状態になった。物資不足によるハイパーインフレで市民生活が極端に悪化し、人口の約1割にあたる300万人が国外に流出して難民化しているとみられている。米国は経済制裁を強め、暫定大統領就任を宣言した野党指導者のグアイド国会議長を支持している。

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