2019年4月20日(土)

キャッシュフロー粉飾の疑い 監視委、初の告発

2019/3/20 19:37
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上場廃止を避けるため決算を粉飾したとして、証券取引等監視委員会は20日、バイオ燃料事業などを展開するソルガム・ジャパン・ホールディングス(東京・品川)の実質的経営者だった池畑勝治氏(52)ら3人と法人としての同社を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで東京地検に告発した。

同社が粉飾していたのは決算の項目のうち営業キャッシュフロー(CF、営業活動で生じた現金収支)で、監視委によるとCFの粉飾での告発は初めて。

監視委は2018年5月に同社を強制調査。押収した資料などを基に調査を進めていた。同社は18年9月、期限までに有価証券報告書(有報)を提出できずに上場廃止となった。他に告発されたのは元社長の赤尾伸悟氏(50)と、現社長の中原麗氏(44)。

監視委によると、同社は17年3月期の連結決算で、営業CFが実際は約9億6千万円のマイナスだったのに、約1億3千万円のプラスだと偽った有報を関東財務局に提出した疑いが持たれている。同社は複数の会社から借りた資金を、同社の製品の売上代金と偽って計上するなどしていたという。

同社が上場していたジャスダックでは営業利益と営業CFが5期連続で赤字・マイナスの場合上場廃止となる。同社は13年3月期からいずれもマイナスの状態が4期続いていた。監視委は同社が上場廃止を回避するために粉飾決算をしたとみている。

今回の事件ではCF計算書の虚偽記載が摘発された。過去の粉飾決算事件では赤字を黒字としたり、債務超過を回避したりするなど、損益計算書や貸借対照表に虚偽の内容を記載した事例が多い。監視委幹部はCFについて「企業の本来の収益力を判断する指標。粉飾すれば投資家への影響は大きい」と話す。

同計算書は▽営業活動による現金の増減を示す「営業CF」▽設備や有価証券の売買による現金の増減を示す「投資CF」▽借り入れなどの資金調達による現金の増減を示す「財務CF」などで構成される。現金の動きが表れるため、「企業の"体温"を把握できる重要な書類」(監視委幹部)だ。

上場企業は2000年3月期からCF計算書の開示が義務づけられたが、上場廃止基準にCF計算書を用いるのはジャスダック市場のみだ。ジャスダックは新興企業向けの市場として開設。10年、大阪証券取引所と経営統合したのに伴い、営業利益と営業CFが5期連続で赤字・マイナスの場合、上場廃止となることが定められた。

収益力などを表す営業CFがマイナスの企業はビジネスモデルを確立できていない可能性もある。営業CFの上場廃止基準への導入は、そうした企業が上場を続けることを阻止し、市場の信頼を保つ狙いがあるとされる。

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