2019年6月16日(日)

ブラジル大統領、親米を鮮明に 外交で世論支持狙う

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2019/3/20 18:43
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【ワシントン=外山尚之】1月に就任したブラジルのボルソナロ大統領の外交が活発だ。「親米」を公言し、19日にはホワイトハウスでトランプ米大統領と会談し、連携を深めた。中国やロシアには、反米左派であるベネズエラのマドゥロ政権への支援停止を働きかける。国内の経済再建には時間がかかるため、国際社会でブラジルの存在感を高め、有権者に外交の成果を誇示する狙いだ。

19日、ホワイトハウスで会談を終え握手するブラジルのボルソナロ大統領(左)とトランプ米大統領(ワシントン)

会談したボルソナロ氏とトランプ氏は、それぞれの名前が背中に書かれたサッカーのユニホームを互いに贈った。その後の会見でボルソナロ氏は「(2020年の)再選を確信する」と述べ、トランプ氏を持ち上げた。

ボルソナロ外交はアラウジョ外相が主導する。

元軍人のボルソナロ氏はワシントン入りした17日、トランプ政権で首席戦略官を務めたスティーブン・バノン氏や米共和党に近い保守系団体の代表らと会食した。その後も保守系メディアに登場した。ブラジル外交筋によると、こうしたワシントンでの日程はアラウジョ氏が、ボルソナロ氏の息子で連邦下院議員のエドゥアルド・ボルソナロ氏と一緒に主導した。

アラウジョ氏は18日に全米商工会議所のセミナーで講演し、ブラジルで03年に発足して最近まで続いた左派政権の米国と距離を置く外交を酷評した。トランプ政権との連携による、保守的な価値観の再興を訴えた。

ブラジル政府は15日までの2日間、同国で開いた主要新興国との高官級会合でロシアや中国に対しマドゥロ政権への支援停止を水面下で働きかけたとされる。米国の同盟国としての振る舞いだ。

アラウジョ氏は1990年にブラジル外務省入りした元官僚。北米などを担当していた18年の大統領選では、反グローバリズムを唱える個人のブログでボルソナロ氏支持を呼びかけた異色の人物だ。ロイター通信によると、雑誌に寄稿してトランプ氏をたたえ、ボルソナロ氏の目にとまった。

ボルソナロ氏は外交に力を入れ、国民の目を外にそらす。財政再建のため年金受給開始年齢の引き上げに取り組むが、有権者に痛みを強いるので成就まで時間がかかる。だが、親米外交は過去の左派政権との違いが明確だ。米国の制裁強化で経済が揺らぐ隣国ベネズエラには国民の関心が高く、「左派の反米政策が経済を崩壊させた」という主張はわかりやすい。

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