応対トラブル、AIがすぐ検知 富士通研、コールセンター向け開発
富士通研究所(川崎市)は20日、コールセンターの会話を人工知能(AI)で分析し、応対トラブルを検知する技術を開発したと発表した。AIの深層学習を活用し、否定的なキーワードの多さや話者の声の高さ、大きさから判断する。管理者が早期にトラブルを把握することで稼働率を上げ、電話がつながるまでの顧客の待ち時間を約2割短縮する。
AIの深層学習を用いてトラブル発生の可能性をスコアで算出する。「分からない」や「そうではなく」といった否定的なキーワードと音声の特徴から判断した話者のストレス状態をもとに分析する。トラブル発生時は通話の冒頭からスコアが高いなどの特徴があるため、通話開始から短い時間内で検知することが可能になる。精度は約91%を実現したという。
管理者がオペレーターから通話を引き継ぐなどの対応が迅速にできるようになる。富士通が提供するコールセンター向けシステムの機能として実用化をめざす。