2019年7月17日(水)

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JOC竹田会長、退任表明 内輪の「延命」論理通らず

2019/3/20 7:58
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日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)が19日、6月末の任期満了での退任を表明した。2020年東京五輪・パラリンピック招致の汚職疑惑で捜査対象になったことで追い込まれた格好だが、就任から18年に及ぶ長期政権そのものにも疑問の声が上がっていた。五輪に向けて選手強化費など国からの支援が増えるなか、定年規定を変えてまで竹田体制を維持しようとしたスポーツ界の内輪の論理が不信を招いた。

「世間をお騒がせしたことを大変心苦しく思う」。同日のJOC理事会で陳謝した竹田氏は、国際オリンピック委員会(IOC)委員からも退く意向を示した。五輪イメージの失墜を嫌うIOCからも距離を置くような対応を取られ、外堀は埋まっていた。

一方で、疑惑については「不正なことはしていない」と潔白を主張した。任期満了での退任に執着したのも、途中で辞めれば疑惑を認めたと受け取られかねないからだ。ただ、仮に招致スキャンダルがなくても、JOC内で一度はまとまりつつあった竹田氏続投の動きは議論の的となったはずだ。6月の役員改選での竹田氏の去就は、2年前に69歳で会長に再選されたときから焦点だった。

続投を望むJOC内の竹田氏周辺は「選任時70歳未満」とするJOCの役員定年規定の見直しに動いた。関係者によると3つあった規定改定案の2つは、定年を迎えた他の役員も"延命"できる内容。東京五輪まで居座ろうとする便乗組がいると解釈できるもので、JOCの幹部職員さえ眉をひそめた。スポーツ庁は、競技団体役員の任期や再選回数の制限を含む「ガバナンスコード」の策定を急いでいる。反発を招いたのも当然だった。

退陣は文部科学省やスポーツ庁からの"外圧"に屈した形だが、会長の在位18年の、日本の五輪スポーツを巡る環境の変貌と無関係ではない。

01年に国立スポーツ科学センター、08年には味の素ナショナルトレーニングセンターが開所した。1年を通して合宿ができ、選手は治療やリハビリが受けられる。1988年ソウル大会から4、3、3、5個にとどまっていた日本の夏季五輪金メダル数は2004年アテネで16に急増。12年ロンドン、16年リオデジャネイロでもメダル総数で過去最高を更新した。

11年にスポーツ基本法が制定され、13年には東京五輪開催が決定。19年度の国のスポーツ関連予算は350億円と過去最高で、強化費は初めて100億円の大台に乗った。こうした国の支援を、先頭に立って求めてきたのがJOCだった。

一方、国費が投入される公益法人である以上、組織の透明性やガバナンス(組織統治)が求められる。だが、アスリートのプロ化が急速に進む一方で、競技団体はボランティア精神に頼んだ旧態依然の組織運営から脱却できなかった。昨今のスポーツ界で起きた助成金不正受給やパワハラなどの問題も、注目と資金を集める東京五輪という巨大イベントをスポーツ界が受け止め切れていない現実を示している。

海外の競技団体を調査したスポーツ庁によると、役員の任期について英国は「9年を超えないことを目標」とし、オーストラリアは「役員の最大任期を10年以内」と定めている。同じように真っ先に改革姿勢を示すべき立場にありながら、そこから逆行するように定年延長を画策したJOC。汚職疑惑は最後の引き金ではあるが、竹田氏を退陣に追い込んだのは、この組織のアナクロニズムだったといえる。

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