2019年7月20日(土)

「りゅうぐう」に水を含む石 はやぶさ2が観測

2019/3/20 1:45
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探査機「はやぶさ2」が着陸した小惑星「りゅうぐう」の地表一面に水の成分を含む岩石があることを宇宙航空研究開発機構(JAXA)や会津大学、東京大学、名古屋大学などが上空からの観測データを解析して突き止めた。2月下旬の着陸で岩石の回収に成功したとされ、水分を含む岩石を地球に持ち帰り、詳細に調べるのは世界初となる。

りゅうぐうの成り立ちに迫る成果など3編の論文は20日、米科学誌サイエンス(電子版)に掲載される。生命の起源を探る今後の研究に弾みがつきそうだ。

はやぶさ2が撮ったりゅうぐうの地表。機体の影が写り込んでいる(JAXAなど提供)

はやぶさ2が撮ったりゅうぐうの地表。機体の影が写り込んでいる(JAXAなど提供)

かつて地球に衝突した小惑星に生命のもととなる有機物や水分が含まれ、地球で生命が誕生するきっかけになったとの仮説がある。地球に落ちた隕石(いんせき)に水分を含む鉱物が見つかることがある。小惑星にどれだけの水分や有機物があるのかを探ることが、はやぶさ2の最大の使命となっている。

これまでもりゅうぐう以外の小惑星で水の存在を示す証拠が見つかっているが、実際に地球に持ち帰った例はない。

りゅうぐうの地表が反射する太陽光の一部を上空から観測したところ、特定の光だけが少なかった。酸素原子と水素原子がつながった水の成分が吸収したとみられ、「含水鉱物」という形で水分がわずかに存在すると結論づけた。

2018年6月の到着後、上空からの観測でいったんは「水分を含む鉱物を確認できなかった」と発表した。観測機器の感度を再調整し、一転して水分の存在を示唆するデータが得られたという。データに地域差は無く、水分を含む岩石が一面に広がると分析した。

りゅうぐうに着陸を目指すはやぶさ2の想像図。到着前は図のような砂地があると考えていたが、実際は岩だらけだった(池下章裕氏・JAXA提供)

りゅうぐうに着陸を目指すはやぶさ2の想像図。到着前は図のような砂地があると考えていたが、実際は岩だらけだった(池下章裕氏・JAXA提供)

米航空宇宙局(NASA)も探査機を打ち上げ、18年12月に小惑星「ベンヌ」の観測で水の成分を見つけたと発表しており、23年に岩石を地球に持ち帰る予定。

隕石の研究などから、直径900メートルのりゅうぐうの5割以上は隙間が占めていることも分かった。太陽系が誕生した46億年前以降に大きな天体が衝突を繰り返し、砕けた破片が集まってりゅうぐうができたとすると、スカスカな構造や岩石の成分が均一であることの説明がつくという。

この仮説に基づき、りゅうぐうのもととなる小惑星を探った。火星と木星の間にある小惑星のうち、りゅうぐうのように表面が黒く、一定以上の大きさの小惑星は「ポラナ」と「オイラリア」の2つに絞られた。それぞれ14億年前と8億年前までに少しずつ水が失われ、いずれかからできたりゅうぐうにわずかな水分が残ったと推定する。

はやぶさ2が20年末に地球に岩石を持ち帰って詳しく分析することで、仮説を裏づける直接の手がかりが得られると期待している。

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