「いちごさん」苗、行方不明に 佐賀県 元職員持ち出す

2019/3/19 19:37
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佐賀県は19日、県が独自開発し昨年12月に本格デビューしたイチゴの新品種「いちごさん」の苗が、元職員によって無断で持ち出され栽培許可を受けていない農家2軒に渡っていたと発表した。農家で増殖された苗のうち5株が栽培可能な状態で販売され、行方不明になっているという。海外への流出は確認されていないとした。

イチゴの新品種「いちごさん」の苗が流出し、謝罪する佐賀県農林水産部の幹部(19日、佐賀県庁)

苗の流出は「市場に出回らないはずのイチゴの苗が売られている」というJA職員からの通報で1月に発覚した。調べたところ、佐賀県農業試験研究センターに勤めていた60歳代の男性技術者(昨年3月末に退職)が、開発段階で生じた廃棄すべき苗の一部を無断で持ち帰り、知人の農家に渡していた。元職員は「何度か断ったが、一度栽培を試してもらおうと思うようになった」と話したという。苗はさらに別の農家にも渡った。

元職員は謝罪文を提出。県は、2軒の農家に残っていた約300株の苗を処分させた。金銭の授受がなかったことや、「現時点で外国などに流出した痕跡はなく他の持ち出し事案も確認されなかった」ことなどから、法的措置は見送った。

イチゴの苗や和牛の受精卵といった付加価値の高い農産品ブランドの知的財産保護は、喫緊の課題になっている。佐賀県農林水産部は「苗台帳の作成による定期的な在庫確認やDNA鑑定体制の整備、職員・農家への指導を徹底して再発防止に努める」としている。

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