2019年6月17日(月)

万博へイノベーション創出 大商が実証実験や研究会

2025年 万博
関西
2019/3/19 18:36
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2025年に大阪で開く国際博覧会(大阪・関西万博)に向け、大阪商工会議所がイノベーション(技術革新)の創出に取り組んでいる。職場の生産性向上を目的にしたIT(情報技術)サービスの実証実験を支援したり、次世代交通網の構築に動いたりしている。未来社会を先取りした都市像を披露するため、知恵や技術の結集を目指す。

シンポジウムで意見を交わす講師(18日、大阪市)

大商は19日、システム開発のアララ(東京・港)が実施する個人間コイン流通サービスの実験を支援すると発表した。約30人の職員が業務効率化などに貢献した同僚に対し、専用アプリからコインを送りあう。職場の生産性向上につながると期待される。送金の頻度や相手の多様性などを検証する。

大商と日本経済新聞社が18日に開いたシンポジウム「2025年大阪・関西万博に向けた大阪のイノベーション」では、地域通貨を万博会場で活用するアイデアが出た。大阪大学大学院の森下竜一教授は「『エキスポコイン』という地域通貨を発行して利用状況のデータを一元管理すれば、(米グーグルなどIT大手の)GAFAに負けないプラットフォームをつくれる」と指摘した。

精密部品加工の成光精密(大阪市)の高満洋徳代表取締役はシンポジウムで、万博に生かせる大阪の強みとして町工場などのスピード感を挙げたうえで、「世界の研究者を大阪に呼び、実証実験に企業を使ってもらうような取り組みを仕掛けたい」と述べた。

人工知能(AI)を研究する「人工知能研究会/AIR」の佐久間洋司代表は関西のイノベーション力を高めるため「オープンな形でデータを共有し、研究者同士や競合する企業同士が連携できればいい」と提案した。

万博は大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)で開かれる。来場者は訪日外国人客を含め約2800万人と想定され、交通インフラの整備が課題になっている。大商は2月、複数の移動手段を組み合わせるサービス「MaaS(マース)」の研究会を設立した。企業や行政と連携して共通のプラットフォームを構築し、万博前の実用化を目指す。

万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとし、ヘルスケア関連のイノベーション創出にも期待が集まる。大商は大日本印刷と連携し、利用者が自分で手軽に脈拍や体脂肪率などを測定できる「ヘルスキオスク端末」の実験も検討している。

大商の立野純三副会頭は「万博を大阪・関西の成長につなげる方策やレガシー(遺産)も検討する」と述べた。万博のコンセプトは「未来社会の実験場」。25年の開催に先行して実験を進め、関西発のイノベーション創出に役立てる。

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