2019年6月17日(月)

ドイツ政府、5G入札を開始 ファーウェイ採否が焦点

ドイツ政局
ネット・IT
ヨーロッパ
2019/3/19 18:18
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【ベルリン=石川潤】ドイツ政府は19日、次世代通信規格「5G」の周波数帯の入札を始めた。ドイツテレコム、ボーダフォン、テレフォニカ、ドリリシュの4つの通信事業者が参加し、落札総額は数十億ユーロ(数千億円)になるとみられている。独政府が公表した5G構築に向けた安全基準の骨子は中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)排除を明記していないが、米国が禁止を迫っており、同社製品の採否が焦点となる。

独5Gへのファーウェイ製品の採否は不透明=ロイター

メルケル首相は19日「我々の手法は、ある企業を単純に排除するものではない」とベルリンでの会合で指摘した。一方で「パートナー国とも協議する」と述べ、米国や欧州諸国と協議していく姿勢を改めて示した。

入札は周波数帯を41のブロックに分けて実施する。各参加者がそれぞれ札を入れていき、すべてのブロックでより高い価格を書き込んだ追加の札が出なくなった時点で終了する。結果が判明するまでには数週間程度かかるとみられている。

落札した通信事業者は2022年までに98%以上の世帯、高速道路、主な鉄道路線などで5Gを使えるようにする必要がある。通信事業者は条件が厳しすぎると入札の延期を求めたが、裁判所が却下した。

ファーウェイは入札に参加しないが、通信事業者向けにルーターなどの通信機器を供給する。焦点になるのが、通信事業者がファーウェイ製品を採用するか、採用するならどの範囲で使用するかだ。ドイツテレコムのヘットゲス社長は2月「連邦政府が状況を精査している」と情勢を慎重に見極める考えを示した。

政府が入札に先駆けて示した安全基準の骨子では、通信の秘密やデータ保護に関する安全基準に準拠した「信頼できる供給元」からの調達を通信事業者に義務付けている。ファーウェイを名指ししていないが、独情報機関当局者は連邦議会で13日、同社が信頼できるパートナーにならないとの見解を示している。

安全基準を示した直後にトランプ米政権は、ドイツがファーウェイ参入を認めるならば米独の機密情報の共有を制限すると警告した。米欧州軍のスカパロッティ司令官は13日、ファーウェイを採用すれば独軍との通信を絶つ考えを表明した。

ファーウェイ製品はすでに欧州の既存の通信網で広く使われている。5G構築にあたって同社製品が排除されれば、サービス開始が遅れコストも膨らむとの指摘がある。5Gを成長戦略の柱のひとつに据えるドイツ政府にとって影響は大きい。

米国は中国企業への安全保障上の懸念を強めており、18年8月に成立した国防権限法では、ファーウェイなど中国5社から米政府機関が製品を調達するのを19年8月から禁じ、20年8月からは製品を使う企業との取引も打ち切る。ファーウェイは憲法違反だとして米政府を提訴している。

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