日立、「背水」の家電事業の立て直しにIoT活用

2019/3/19 18:03
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日立製作所は19日、冷蔵庫など家電事業の新たな事業戦略を発表した。4月に2子会社を統合して「日立グローバルライフソリューションズ」を設立し、製品開発と販売を一元管理して迅速な事業展開を目指す。あらゆるものがネットでつながる「IoT」の技術を生かした新サービスなども開発し「背水」の家電事業の収益力を高める。

4月1日付で日立アプライアンスと日立コンシューマ・マーケティングを統合する。新社長に就任予定の谷口潤氏は記者会見で「家電や空調などの製品から得られる生活者のデータを活用していく」と語った。谷口氏は日立が進めるIoT基盤「ルマーダ」事業で、外部企業の生産ラインの最適化などに取り組んできた実績がある。

日立グローバルライフソリューションズが目指す新事業が、家電から得られるデータを活用した新サービスだ。谷口氏は冷蔵庫を例に挙げて「食品業界では冷蔵庫がバリューチェーンの末端にあたる」と指摘した。そのうえで「食材の消費状況などのデータから、無駄を減らす生産や物流サービスを生み出すこともできる」と述べた。

家電から得られる消費者データの活用には各社が力を入れている。パナソニックは住宅子会社のパナソニックホームズと組んで新サービス「ホームX」を始める。

家庭内の機器ごとにばらばらだったリモコンやスイッチなどの操作を統一し、家の各部屋に「ホームXディスプレー」と呼ぶ液晶タッチパネルの操作端末を置く。照明や空調、ドアホンや給湯器などをネットでつなぎ、一元的に管理する。

三菱電機は複数の家電を連携するサービスを開発中だ。起床後にIHクッキングヒーターを使うと炊飯器が自動で動くなど、生活スタイルに合わせて家電が連動する。様々な家電を組み合わせた新サービスを20年から始める予定だ。

日立にとって家電事業は悩みの種だ。19年3月期見通しで売上高が約5000億円、営業利益率は4.4%にとどまる。全社の営業利益率で8%を達成する見通しのなかで「決して優等生とは言えない」(日立幹部)のが実態だ。ただし企業向け事業が大半を占める日立で家電事業は一般消費者と直接つながる貴重な存在でもあり、立て直しが急務となっている。

(指宿伸一郎)

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