ハイフラックス、救済計画に暗雲
インドネシア・サリムなど救済案撤回の可能性

2019/3/19 17:30
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【シンガポール=谷繭子】経営難に陥ったシンガポールの水処理会社、ハイフラックスの再建計画に暗雲が垂れ込めている。シンガポール政府が同社の中核的な水処理施設を接収すると警告したことを受け、サリム・グループなどインドネシアの2つの企業グループがハイフラックスへの5億3千万シンガポールドル(約436億円)の救済案を取り下げる可能性を通告した。

シンガポール水道当局が接収すると警告したハイフラックスの海水淡水化施設「トゥアスプリング」

ハイフラックスが18日夜にシンガポール取引所(SGX)での情報開示で明らかにした。サリム・グループとメドコ・グループが同日、出資などの救済の取りやめを示唆したという。サリム・メドコ連合は2018年10月、ハイフラックス株の60%取得を柱とする経営再建案で合意していた。

同連合が救済取りやめに言及したのは、ハイフラックスが運営するシンガポール最大の海水淡水化施設「トゥアスプリング」について、水の買い手である公益事業庁(PUB)が5日に接収の可能性を通知したためだ。

PUBは同施設の供給能力が契約水準を下回るうえ、ハイフラックスが安定操業できる財務状況にないと指摘した。そのうえで、4月5日までに是正しなければ、契約通りに施設を接収すると言い渡した。供給能力や財務の問題はサリムなどによる救済で解決する可能性があり、水道当局が接収に言及した理由は明らかになっていない。

サリム・メドコ連合はハイフラックスに対し、4月1日を期限として、当局による同施設の接収を回避できるようにする対応を求めた。

水の確保が安全保障に関わる重要課題であるシンガポールで、ハイフラックスは汚水再生や淡水化を担う戦略的企業だった。しかし海外事業の低迷に加え、自国で新規参入した発電事業の不振で資金繰りが悪化。18年6月、裁判所に債務支払い猶予を申請し、リストラに取り組んでいた。

ハイフラックスは4月5日の債権者集会で債務減免を求めた後、資金力のあるサリム・メドコ連合の傘下で事業を立て直す計画だった。関係者は「今後の筋書きはPUBの出方次第で変わる」としている。

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