2019年7月21日(日)

「724106」「104510」読める?(平成のアルバム)
ポケベル

コラム(社会)
2019/3/23 6:30
保存
共有
印刷
その他

東京テレメッセージでは20年間、ポケベル端末の販売実績がない

東京テレメッセージでは20年間、ポケベル端末の販売実績がない

「724106」「104510」「49106841」――。一見、暗号のようだが、1990年代に流行したポケットベル(ポケベル)で使われた言葉遊びだ。

正解は「なにしてる」「いま仕事」「至急TEL(電話)欲しい」。一時期、若者を中心に様々な暗号が編み出され、一世を風靡した。だが、そのポケベルも2019年9月、ついに姿を消すという。

ポケベルのサービス開始は68年。87年に数字が送れるようになると爆発的に普及した。94年には文字も送れるようになり、翌95年のピーク時には全国で1000万回線が利用された。緒形拳さん、裕木奈江さんが出演したテレビドラマ「ポケベルが鳴らなくて」(93年)では、不倫関係にある2人の連絡手段として重要な役割を果たした。

「今で言うLINEみたいなもの。高校時代はポケベルでずっと"おしゃべり"していた」。東海地方出身の同僚の女性記者(37)は懐かしそうに話す。ひたすら固定電話からメッセージを送り、ポケベルで受信する。「自宅でも友人とつながれるのが楽しく、短い文章に思いを込めた」。11で「あ」、12で「い」などと打ち込むコード表を暗記していたという。

自宅の固定電話の子機を部屋に持ち込み、1回の送信で10円。積もり積もった通話料は月数万円になり、親に大目玉を食らったことも。1台しかない高校の公衆電話には連日、行列ができた。

当てずっぽうに番号を打ち込み、受信相手と知り合いになる「ベル友」もはやった。96年7月6日の日本経済新聞は「ポケベル 魔の時間」の見出しで、女子高校生らが午後8時~深夜に利用しすぎて、ポケベルが受信しづらくなる現象を伝えている。

今も国内で唯一、ポケベル事業を続ける東京テレメッセージ(東京・港)は19年9月にサービスを終了する。現在は約1500回線。医療関係者らが携帯電話の電波が入りにくい場所で使っているという。ポケベル事業は96年をピークに携帯電話に押され、次第に経営が悪化。何度もつぶれかけたという。清野英俊社長(64)は「端末の販売は20年前が最後。それ以来、個人の新規契約はほとんどない」。

同社は現在、ポケベルの帯域と仕組みを使い、文字情報を音声に変換する防災無線が主力で、50以上の市町村と契約する。携帯電話より送れるデータ量は小さいが、感度や確実性に利点があるという。清野社長は「日本は防災大国。ポケベルは形を変えて今後も生き残る」と話した。

ポケットベル 正式名称は「無線呼び出し」。1968年のサービス開始当初は音と光で折り返しを求める緊急連絡用だったが、その後コミュニケーションツールとして発展した。PHSや携帯電話が普及すると、急速に利用されなくなり、最大手だったNTTドコモも2007年に撤退した。だが、文字メッセージで会話する若者文化は携帯電話や無料対話アプリへと受け継がれている。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。