都内商業地、訪日客人気で浅草の上昇目立つ 公示地価

2019/3/19 16:50
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国土交通省が19日発表した2019年の公示地価(1月1日時点)で、東京都内の全用途は平均で前年より4.2%上昇した。上昇は6年連続で、前年より上げ幅は0.8ポイント広がった。商業地では台東区の浅草地区が軒並み上昇率上位に入るなど、外国人観光客の増加が地価を押し上げる要因となった。住宅地では23区のうち荒川区が上昇率のトップだった。

訪日外国人でにぎわう浅草(東京都台東区)

商業地は6.8%の上昇で、前年より上昇率は1.4ポイント広がった。上昇率上位10位内に浅草地区から4地点が入った。34.7%上昇で首位となった浅草1丁目は大通り沿いで雷門に近く、飲食店が多く集まる中心地。他の3地点も人通りの多い道路沿いで、浅草駅や浅草寺に近い。

背景には訪日外国人の増加と多様化が背景にある。18年の訪日客は3119万人と、前年より8.7%増えた。国別では、タイが10.8%、フィリピンが14.4%増えるなど、東南アジアからの来日が伸びている。初めて日本を訪れる観光客も多く、まずは東京、さらに日本らしさを体感できる観光地として浅草が選ばれている。

物販や宿泊の需要も強まり、相次ぐ出店計画が地価を押し上げる。「ドラッグストアを出店する企業が高い価格で用地を仕入れていることも影響している」と、ニッセイ基礎研究所の吉田資准主任研究員は指摘する。

18年にはアパホテルの新ホテルが開業した。カプセルホテルやオフィスビルからの転換など、まとまった土地が出にくい浅草ならではの方法で小・中型ホテルの開業が続いている。

地価上昇のトレンドにも変化が出ている。「これまでは都心3区(千代田、中央、港)を中心に地価が上がっていた。次第に周辺にも波及している」と都市未来総合研究所の大重直人主任研究員は話す。銀座や渋谷など人気エリアへの需要は強いものの、地価が高騰。供給が少なくなっていることもあり、幅広い地域に食指が伸びているとも言える。

住宅地でも同じような傾向が出ている。住宅地の上昇率は2.9%と、前年より0.5ポイント上昇幅が広がった。上位10地点には赤羽など北区から2地点が入り、足立区の北千住も入った。区別の上昇率トップは荒川の8.6%。台東(7.2%)、北(7.1%)が続き、いずれの区も上昇率は前年よりも大きくなっている。東京23区の中でも割安なうえ、「交通などの利便性が高まったことで評価されている」(大重氏)。

東京への一極集中は一段と進み、東京全体では地価の上昇が続く可能性がある。今後は多摩地域など地価上昇が小さい地区の動向が焦点となる。

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