神奈川県内住宅地、2年連続で上昇 公示地価

2019/3/19 16:50
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国土交通省が19日発表した2019年の公示地価(1月1日時点)で、神奈川県内の住宅地は前年比0.3%上昇した。上昇は2年連続。3政令指定都市を中心に、東京都心などへのアクセスがよい場所で上昇した。一方、三浦半島や県西部では下落が続いた。商業地も2.4%上昇し、全用途は0.8%の上昇だった。

横浜市の関内北仲通地区では移転する市役所の建設が進む

住宅地の上昇率では、相模原市内の地点が上位4位までを占めた。いずれもJR橋本駅から1キロメートル前後にあり、同駅南口でのリニア中央新幹線の新駅設置や、それに伴う再開発が押し上げている。県政策局は「橋本駅周辺の地価上昇はより広範囲に広がっている」と指摘する。

27年の開業を見込んで、数年前から企業の本社移転やマンション建設が進む。地価上昇は1キロメートル以上離れた地域にも広がる。地元不動産会社、サーティーフォーの唐橋和男社長は「住宅地は高くなりすぎて売れにくくなっている」と明かす。

市町村別で上昇率が最も高かったのは川崎市の1.7%で、前年から0.3ポイント上昇幅が拡大した。武蔵小杉駅周辺が引き続き人気となっているほか、都内に近い多摩区での上昇が目立った。同区では武蔵小杉駅を通るJR南武線の人気が高まっているほか、小田急線登戸駅が複々線化で電車本数が増えたことなどで利便性が向上したことが影響しているという。

横浜市の上昇率は前年と同じ1.0%だった。中心地の神奈川区や西区、中区は2%、都心への交通利便性が高い港北区や鶴見区で1%超となった。地価が最も高かったのは中区山手町で、6.7%上昇し1平方メートル当たり66万7000円だった。

一方、市の西部や南部の都心へのアクセスが比較的よくない地域は伸び悩んだ。特に磯子区と栄区は横ばいだった。県政策局は「移動にバスを使う地域が多く、高齢化により需要が減っている」と分析する。

三浦半島や県西部の住宅地では下落が続いている。下落率の上位10地点のうち、1~3位を含む4地点が三浦市、6地点が横須賀市で、いずれも最寄り駅から数キロメートル以上離れた場所だった。都心や最寄り駅から遠い地域では、都市部への流出が進んでいる。

下落率が8.4%と最も高かったのは三浦市三崎町の地点。7年連続で下落率県内トップで、全国でも7番目に高かった。市の平均でも三浦市は4.6%下落し、南足柄市や山北町、真鶴町でも3%を超えた。

■商業地上昇率、前年より高く

神奈川県の商業地の上昇率は前年(1.9%上昇)を上回った。上昇率が2%を越えたのはリーマン・ショック前の2008年以来11年ぶり。川崎市が4.8%、横浜市は3.2%、相模原市が2.2%のいずれも上昇で、3政令指定都市の全区で上がった。

上昇率の上位1~8位はすべて横浜市の神奈川、西、港北の3区に集中した。横浜駅周辺やみなとみらい地区のほか、横浜市役所の移転工事が進む関内北仲通地区が上がった。川崎市では川崎駅周辺が上昇が目立った。新たな改札口の設置など利便性が高まったことが寄与した。

3市以外では海老名市と伊勢原市が2%以上上昇した。海老名は海老名駅周辺の開発が進み、商業施設が増えている。相鉄線の始発駅で、3線が乗り入れていることもあり、住宅地も政令市を除いて唯一1%上昇した。

商業地、住宅地とも県全体で上昇したが、22年から順次優遇措置が終わる「生産緑地」が宅地などに転換する可能性がある。売りに出される土地が増えると、地価の上昇が緩やかになる可能性もある。

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