日本橋高島屋に史料館開設、初企画は村野藤吾展

文化往来
2019/3/23 6:00
保存
共有
印刷
その他

日本橋高島屋SC(東京・中央)に3月5日、「史料館TOKYO」が開館した。展示スペースとして、テーマごとに専門家に監修を依頼した企画展を年4、5回開く。初回は、同店の建築と4度にわたる増築設計を担当した建築家の村野藤吾(1891~1984年)に焦点を当てた展覧会を5月26日まで開催中だ。

「日本橋高島屋と村野藤吾」展の会場(東京都中央区)

「日本橋高島屋と村野藤吾」展の会場(東京都中央区)

現在、重要文化財に指定されている同店の建物は33年に「日本生命館」として完成、建て主の日本生命が高島屋に賃貸した。37年に建築家の高橋貞太郎の設計で増築に着手。しかし、直後に勃発した日中戦争によって工事は中断された。敗戦後に再開した増築工事で設計顧問を務めたのが村野だ。高橋の設計思想を引き継ぎながら、厳しい工費の制約の中で戦後復興にふさわしい建築を作り上げた。

本展では京都工芸繊維大学で見つかった高橋による初期の設計図面を初公開している。高橋がデザインした小さな窓の並ぶ壁面を村野が反復して延長、全体の連続性を保ちながら大胆にガラスブロックを配し、今日まで残るモダン建築に仕上げた過程をたどる。

監修した同大の松隈洋教授は「高橋の旧館に敬意を払いつつ、メリハリの利いた増築を実現した村野の巧みな手腕が遺憾なく発揮されている」と評している。

(岩本文枝)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]