18年度の実質成長率は0.6%、19年度も0.6%成長 NEEDS予測
景気に試練、1~3月期は踊り場に

2019/3/19 12:37
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日本経済新聞社の総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、内閣府が3月8日に公表した2018年10~12月期の国内総生産(GDP)の2次速報値を織り込んだ予測によると、18年度の実質成長率は0.6%、19年度も0.6%の見通しになった。

18 年10~12月期の実質GDPは前期比0.5%増(年率換算で1.9%増)だった。1次速報から0.2ポイント上方修正されたが、民間在庫変動の上方改定によるところが大きい。

19年1~3月期は生産や輸出が減少する可能性が高く、景気は踊り場を迎えている。成長率はプラスを維持するものの、前期比0.1%にとどまると見込む。日本経済にとって試練の時となりそうだ。

■4~6月期以降の輸出は持ち直し

日銀公表の実質輸出は、1~2月平均は10~12月平均に比べ2.7%減少した。中国でスマートフォン(スマホ)や家電などの耐久財消費が不振に陥り、関連財の生産調整が深まっていることを反映しているとみられる。中国に加え欧州経済も減速が鮮明になるなど、足元の海外経済は不透明感が強い。GDPベースの輸出は、1~3月期は前期比1.0%減とマイナスに転じる見込みだ。18年度は前年度比1.6%増となる。

中国経済の減速は、これまでのデレバレッジ(債務圧縮)政策と米中摩擦によるマインド悪化を主因としている。米中両政府は、貿易不均衡の緩和や中国経済の構造問題を巡って協議を続けており、本予測では、3月下旬以降の首脳会談で協議は合意に至るとみている。米中貿易摩擦が短期間で終息することにより、4~6月期以降の輸出は前期比プラスで推移する見通し。19年度の輸出は前年度比1.0%増となる見込みだ。

■設備投資は増勢を継続

1月の投資財出荷が大幅に落ち込んだことなどもあり、1~3月期のGDPベースの設備投資は前期比0.5%減とマイナスを見込む。しかし、3月12日に内閣府と財務省が公表した19年1~3月期の法人企業景気予測調査では、18年度の設備投資計画(ソフトウエアを含む、土地を除く)は前年度比7.4%増と15年度以来の高水準で着地した。19年度の設備投資計画は例年並みの前年度比6.2%減で、18年度の伸びが高かったことを考慮すると、悪くないスタートと評価できる。省力化やインバウンド(訪日外国人)関連、次世代自動車など新技術への対応を中心に、19年度も投資の増勢は継続するとみている。GDPベースの設備投資は、18年度は前年度比3.3%増、19年度は同1.4%増と見込む。

■消費の伸びは緩慢

1~3月期の個人消費は緩慢な伸びにとどまると見込む。1月の日銀の消費活動指数(旅行収支調整済み、季調値)が18年10~12月期対比0.2%上昇した一方で、1月の小売業販売額(季調値、確報)は、10~12月期に比べて1.6%減った。1~3月期の個人消費は前期比0.2%増にとどまり、18年度は前年度比0.6%増を見込む。19年度は手厚い消費増税対策により、同0.7%増と18年度より伸びは高まるとみている。ただ、賃金とりわけベースアップ(ベア)が高まり、将来不安が払拭されない限り、本格的な消費の回復は見込みづらい。

なお、今回のNEEDS予測は、日本経済研究センターが19年3月に公表した改訂短期予測をベースにしている。

(日本経済研究センター 宮崎孝史、デジタル事業 情報サービスユニット 渡部肇)

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