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国際特許出願、アジアが初の5割超、中国がけん引

世界知的所有権機関(WIPO)調べ

【ジュネーブ=細川倫太郎】知的財産権でアジア勢の存在感が増している。世界知的所有権機関(WIPO)が19日発表した2018年の特許の国際出願件数で、アジアの国からの出願が初めて5割を超えた。通信や人工知能(AI)関連などで中国の勢いが鮮明で首位の米国を急速に追い上げている。日本も存在感を保っているものの、米中2強が技術革新の主役を担う構図が鮮明になってきた。

WIPOによると、世界全体の出願件数は前年比4%増の25万3千件と9年連続で増加し、過去最多を更新した。出願の51%は日本を含むアジアからで、欧州が25%、北米が23%と続く。AIや自動運転など新技術の開発競争が激しくなり、各国の企業や研究者が知財の確保を急いでいる。

2位の中国は9%増の5万3345件と、首位の米国(1%減の5万6142件)に接近する。一方、技術革新をリードしてきた米国の出願は減少傾向にある。日本は3%増の4万9702件と前年と同じ3位。WIPOのガリ事務局長は「中国は国家主導で巨額の研究開発費を投じて、技術開発にまい進している」とし、「このままいけば2年以内に中国が米国を抜く」と予測する。

韓国やインドの勢いも目立つ。インドの前年比伸び率は27%に達した。インドではこの6年で7200~7700社のスタートアップが生まれ、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」など最先端技術を駆使する企業が増えている。

個別企業では上位10社のうち、日中韓の企業が6社を占めた。1位は前年に続き中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)で、次世代高速通信「5G」関連の特許全体の約3割を占めるとされる。2位に順位を上げた三菱電機は、自動車の制御技術などの開発に力を入れている。17年に9位だったソニーは13位まで順位を下げた。

教育機関の出願件数は、上位10校のうち9校をカリフォルニア大、深圳大など米中の大学がしめた。日本の最高は11位の大阪大学で、東京大学は14位だった。

WIPOは商品やサービスの名称を守る「商標」と製品の形状などを保護する「意匠」の18年の国際出願件数も発表した。商標は6%増の6万1200件で、国別では首位は米国、2位はドイツ、3位に中国がランクインした。意匠は4%増の5404件だった。

中国は国家戦略「中国製造2025」を掲げ、半導体関連企業の育成に力を注ぐ。これに対し、米トランプ政権は中国の知的財産の侵害や、補助金など政府支援を批判。技術革新で急速に力をつけて、覇権を脅かしつつある中国への警戒感を強めている。

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