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マ軍OBの長谷川氏、イチローと菊池に熱きエール

米大リーグのマリナーズとアスレチックスは20、21日に東京ドームで開幕2連戦を行う。マリナーズのイチローは2012年以来の日本凱旋で18年5月2日以来の公式戦出場が有力で、第2戦には菊池雄星が先発してメジャーデビューを飾る予定だ。02年から4年間マリナーズに所属していた長谷川滋利氏(50)の目に2人の日本選手はどう映るのか。今季の活躍を占ってもらった。

長谷川氏はイチローについて「この逆境で最善を尽くせるのが彼のすごさでもある」と語る=共同

昨季を会長付特別補佐という立場で過ごしたイチローは、米球界19年目のキャンプを初めてマイナー契約の招待選手として迎えた。長谷川氏によると、アリゾナキャンプで言葉を交わした際、「日本に行けるように頑張ります」と語る姿が印象的だったという。「例年以上に謙虚だったのは、野球ができることのありがたみを感じていたからだろう」

チーム内での存在感は別格

インタビューに応じる長谷川滋利氏

米国でのオープン戦は25打数2安打、打率は0割8分と低迷した。最後は18打席連続無安打と快音が聞かれないまま来日。昨季はチームに同行しながらトレーニングを重ねていたとはいえ、公式戦に出場できなかったブランクを埋め、試合勘を取り戻すことはたやすくない。10年連続200安打以上を達成したイチローの全盛期を知っている長谷川氏が見ても「45歳という年齢もあるから、なおさら影響はある」という。ただ、こうも付け加える。「彼は変化や違いを受け入れられる人。まだメジャーでやっていける力はあるし、この逆境で最善を尽くせるのが彼のすごさでもある」

守備や走塁、送球はさびつくどころか、今でも「マリナーズではトップクラス」。巨人とのプレシーズンゲームではタイミングが合わない打席もあったが、打撃も上向きそうな気配はあるという。なにより、チーム内での存在感は別格。主力を放出して再建を目指している若いチームの最良の手本でもある。「そこは球団も評価し、必要としているはず。彼をずっと(選手として)使っていきたい思いはあるのではないか」

来日した際の記者会見では「いつ引退するのか」という米メディアの質問に、「いつわかるのか、僕にもわからない。こういう質問に慣れていないとわかった」と答える場面があった。開幕カードでベンチ入りは一時的に28人に増えるが、米国に帰れば通常の25人に戻る。そのとき、イチローの処遇がどうなるか。日本での2試合が判断材料になる可能性もあり、周囲は騒がしい。

それでも、長谷川氏は悲観的ではない。「求められるのは(打撃の)結果より内容だと思う。いかにバットの芯に当てるか、ゴロを打っても内野の間を抜くような打球を打てるか。帰国後もレギュラーかというと年齢的に難しいが、4番目の外野手や代打で出場できるチャンスはある。それが一番理想的な形。ここを乗り越えたら彼の夢である50歳までメジャーリーガーでいるゴールもかなえられるだろう。(チームに)残ることは奇跡ではなく、必然のような気もしている」

「攻めていくスタイル貫いて」

一方、21日に念願のメジャーデビューを控えている菊池には、マリナーズOBの"先輩"として「最初は日本のスタイルを変えなくていい」とアドバイスを送った。米国でのオープン戦を見て「力強い直球は通用する」と太鼓判を押し、「僕としてはクレイトン・カーショー(ドジャース)のようになってほしいと思う。かわす投手ではなく、バンバン攻めていくスタイルを貫いてほしい」と期待を込める。

長谷川氏は「まずは日本で培ってきたことを出してほしい」と菊池に助言する=共同

マリナーズの先発陣を見渡せば、菊池の役割は「先発の2、3番手」。数年後も見据えながら「チームが強くなったときの中心選手になってほしいという意図がうかがえる獲得」とみる。

菊池本人は「昨オフから寝ても覚めても大リーグの公式球を握って慣らしていた」そうで、日本の公式球に比べてボールが滑りやすいなど環境の違いにも今のところ適応できている。「同じような時期に僕はスライダーがきっちり投げられなくて、まずいと思っていた。それに比べてもいい準備ができているのだろう。本拠地があるシアトルは投手有利で打球が飛ばない。パワーヒッターに痛打されても助かる場面は多いので、思い切って攻められるはず」と長谷川氏。

米国でシーズンが始まれば、長距離の移動も伴い、精神的な負担も大きくなる。だが、「1週間に1回の登板より、ブルペンに負担がかかっても70~80球に球数を制限させながら中4日で投げ続けさせた方がプラスだろう」。ジェリー・ディポト・ゼネラルマネジャー(GM)やスコット・サービス監督の手腕が問われる。

日本でメジャーリーガーとしてのキャリアをスタートさせる左腕に、長谷川氏は「高校時代からメジャー志向が強くて英語を勉強していたというから、とてもクレバーなのだろう。『郷に入れば郷に従え』。すでにチームにも打ち解けている。まずは自分が日本で培ってきたことを出して、その後からアジャスト(適応)してほしい」とエールを送る。

(渡辺岳史)

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