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イチロー、まだまだレジェンドにならないで
編集委員 篠山正幸

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2019/3/19 6:30
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メジャーの日本開催試合で7年ぶりに凱旋したマリナーズ・イチローは相変わらず、とんがっていた。希代のバットマンも45歳。いつか「そのとき」がやってくるのは覚悟しなければならないが、イチローらしいサプライズへの希望もわいてくる。

16日、東京ドームで調整したイチローは打撃練習中に右翼の守備につき、背面キャッチを披露した。スタンドにお客がいないのが惜しまれた。

とんがった感じに安堵感

イチローは健在――。だが、その数十分前、記者会見に臨んだイチローに厳しい質問が飛んでいた。

「どうやったら引退するときとわかるのか」。2018年、1年試合に出ないと決め、マリナーズの会長付特別補佐という肩書になっていたイチローが、事実上の引退状態にあるという認識に立った質問のように聞こえた。

イチローは「いつわかるか、僕にもわからない」と答え「こういう質問に慣れていない」と混ぜ返した。

17日、巨人戦に勝利し、イチロー(右端)はナインを迎えた=共同

17日、巨人戦に勝利し、イチロー(右端)はナインを迎えた=共同

会見の冒頭ではアスレチックスとの開幕戦に向け、早くチームメートの観光気分をなくしたい、とも語った。

野球に対して一切妥協のない姿勢は、時に味方選手をもぴりぴりムードに巻き込んできた。やはりイチローはイチロー。とんがった感じに安堵感を覚えた。

「『頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします』とは絶対にいいません」と語ったのは15年1月、マーリンズ入団会見でのことだった。

イチローの「スターとはかくあるべし」という哲学が表れた言葉だった。こちらから頭を下げなくても、目を向けられる存在。黙っていても人がついてくる選手。そうでなくなったらプロでいる意味すらない、という意思がうかがえたものだった。

「打てなくてごめんなさい」は通用しない、言い訳無用の世界。この厳しさと正面から向き合えたのがイチローの強さであり、膨大な量の安打を生み出す源泉となった。

日本でブレークして間もなく、イチローは先がとがったスナック菓子のCMに起用され「とんがっておいしい」のセリフで売っていた。振り子打法から何から新しく、先鋭的な感じがよく表現されていた。あのとんがり感は、年齢の壁があって、やっと移籍先が決まった4年前も変わりなく、そして今も保たれている。

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