2019年6月19日(水)

普天間22年度返還、遅れ確実 防衛省、地盤改良の試算提示

2019/3/15 20:00
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防衛省は15日、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に関する報告書を参院予算委員会に提出した。辺野古沖で見つかった軟弱地盤の改良工事に3年8カ月程度かかるとの試算を盛り込んだ。日米両政府は普天間基地の返還時期の目標について最短で2022年度と掲げている。岩屋毅防衛相は目標の達成について同日「正直、難しい」と述べた。

報告書は約1万ページ。沖縄県が辺野古の埋め立て承認の撤回に関する行政不服審査請求をしたことを受けて作成した。野党が開示を要求していたが、防衛省は審査請求中であることを理由にこれまでは開示を拒んでいた。

政府が地盤改良に関する工期を示すのは初めて。現在の移設計画では辺野古の埋め立てに5年、滑走路の建設などに3年かかると見込んでいる。これに地盤改良の工期も加わることになる。

報告書では砂を固めて造った「くい」を打ち込む工法で地盤改良ができると指摘した。軟弱地盤は水面下90メートル程度の深さまであるが、最大で水面下70メートル程度までくいを打ち込めば地盤が安定すると結論付けた。国内の作業船で施工できるとも指摘した。供用開始後の地盤沈下に関しては20年間で約40センチと推定した。

県は「難易度が高い工事だ」と訴えて中止を求めている。地盤改良の工期が加われば移設工事全体で合計13年必要になるとも訴えている。

政府は地盤改良に伴う設計変更を年内にも県に申請する方向。県は認めない構えだ。仮に設計変更が認められても地盤改良だけで4年近くかかるため、返還は23年度以降になることが確実だ。2020年代半ばから後半にずれ込む可能性もある。

政府は「地盤改良の工事は他の工事と並行して進めることができる」と主張する。岩屋氏は15日の閣議後の記者会見で「あらゆる方法を考えてできるだけ工期を短縮したい」と語った。

工事は政府と県の法廷闘争などでたびたび中断し、すでに想定より遅れている。昨年12月には辺野古移設先の南側の護岸に囲まれたエリアで土砂の投入を始めた。今月25日からは新たな区画への土砂投入を予定している。

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