2019年3月24日(日)

民主、ロシア疑惑報告書で駆け引き 米下院、全面公開案可決

トランプ政権
北米
2019/3/15 17:36
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【ワシントン=中村亮】トランプ大統領周辺とロシアの不透明な関係を巡る疑惑に関して、米議会下院は14日、特別検察官が作成する捜査報告書の全面公開を求める決議案を賛成多数で可決した。報告書を機密文書と位置づけて一部の公開にとどめる考えを示唆する司法省に圧力をかけた。トランプ氏は捜査が不当だと主張しており、捜査終了をにらんだ駆け引きが激しくなっている。

14日の下院決議は、捜査報告書から安全保障や捜査手法などに関わる部分を除いた全容を議会に報告したうえで、一般にも公開するようバー司法長官に求める内容だ。民主党のペロシ下院議長は同日の記者会見で「真実を守るための採決だった」と評価。大統領弾劾の是非に関しては「事実関係を徹底的に明らかにする」と語り、捜査結果を見極める考えを示した。

モラー特別検察官は2016年の米大統領選でトランプ陣営がロシアと共謀した疑惑を捜査している。トランプ氏が疑惑の捜査を妨害した疑いも捜査対象だ。捜査は近く終了するとの観測が広がっている。モラー氏は捜査を終えるとバー氏に報告書を提出する。

捜査報告書の公開範囲は司法長官が決める。司法省は原則として不起訴の人物の捜査結果を明らかにせず、現職大統領を起訴しない慣習もある。14日の決議に法的拘束力はないが、民主党はトランプ氏の「不正行為」が公開されないリスクがあると懸念しており、下院の総意を明確にして公開を促す狙いがある。

歴代大統領に対する特別検察官の捜査結果の公開ルールや内容は変遷してきた。1974年にニクソン大統領の辞任につながったウォーターゲート事件の捜査報告書の大半が一般公開されたのは2018年。裁判所が報告書の機密解除を認めるまで44年かかった。報告書はニクソン氏や周辺の言動を淡々と示し、大統領弾劾の是非を盛り込まず判断を議会に委ねた。

クリントン氏とホワイトハウス元実習生の不倫関係を捜査した特別検察官は、弾劾の根拠を盛り込んだ報告書を議会に直接提出。議会はすみやかに一般公開したが、不倫関係の一部始終が明らかになるとプライバシー侵害との批判が噴出。司法長官が公開内容を精査できる現在のルールに改められた。

下院司法委員会の民主党トップ、ジェロルド・ナドラー議員は司法長官による捜査結果の公開が不十分であれば、議会の調査権限を行使し捜査報告書の提出を強制する考えを示している。ホワイトハウスは大統領権限を使って阻止するとみられ、法廷闘争に発展するとの見方がある。トランプ氏は13日、捜査について「魔女狩りであり、でっちあげだ」とツイッターで改めて非難した。

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