目指せ「三つ星イチゴ」 武井哲也さん
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2019/3/15 21:00
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神奈川県海老名市では昭和初期からイチゴが栽培されてきた。受け継いだ栽培技術にICT(情報通信技術)を組み合わせ、品質向上に取り組んでいるのが武井いちご園の3代目、武井哲也(48)だ。「量より質」をモットーに、県の品評会で何度も受賞経験を持つ。4月には海外のコンテストにも出品する。目指すは「三つ星イチゴ」だ。

手をかけて糖度が高く「深い」味がするイチゴをつくる(神奈川県海老名市)

武井のイチゴは甘いだけでなく、「深い」味が特徴だ。最高21度と高い糖度を確保しつつ、渋味や酸味もしっかり残す。武井は「甘いだけではおいしくない。植物本来の味が出ることが大切だ」と強調する。

12月ごろから翌年の6月上旬にかけてが収穫時期だが、1月前半が最もおいしいという。そのおいしいイチゴを育てるため最も重要なのが「土作りと苗作り」。土はシーズンが終わるごとに飼料植物を植えて混ぜ込み、耕し直す。苗は4月から半年かけて作り、花が咲くサインを顕微鏡で確認して定植している。

3年ほど前から品質向上で与える水を減らし、収穫量は減るが1粒当たりの糖度を高める。「とにかく一番いい状態で光合成させる」ため、ICTも取り入れた。センサーで測定した温度・湿度や日光の量をもとにハウスの天井やカーテンを自動で開閉。最適な環境を確保する。

多い時は年間6万~7万パック分の収穫量があったが、今シーズンは3月までで5千パック以上少ない。だが、品質向上で単価は上がり、収益も伸びている。

栽培技術は亡くなった父・恪三が確立した。武井は「父がいなかったら今の技術はない。生産量はまったく追いつけない」と尊敬するのと同時に「品質は当時よりも上」と自信をのぞかせる。作業にはパートのほか母親や妻も加わる。

4月にはベルギーの国際味覚審査機構(iTQi)のコンテストに出品する。海老名のイチゴのブランド力向上も目指す。「コンテストでいい評価を得て、他の農家を含め地域全体を刺激できたら」と願う。=敬称略

(浦崎唯美子)

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