2019年5月20日(月)

トランプ氏に与党反旗 独断に警鐘 非常事態無効決議

トランプ政権
北米
2019/3/15 15:52
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【ワシントン=永沢毅】米議会上院で14日、与党・共和党から12人が造反し、トランプ大統領が看板政策「国境の壁」建設のために出した非常事態宣言を無効にする決議案が可決された。上院の過半数を占める共和が、公約実現のためには手段を選ばないトランプ氏の独断専行に警鐘を鳴らした形だ。結束の揺らぎは今後の政権運営に影を落としかねない。

トランプ氏の独断専行に共和には警戒感が広がる(写真はAP)

上院(定数100)のうち、賛成したのは民主党の全47人(無所属2人を含む)に加え、共和53人の2割強にあたる12人。決議案は下院で可決済みだ。トランプ氏は14日の可決直後に「拒否権だ!」とツイッターに投稿し、就任後初めてとなる拒否権発動を表明した。拒否権を覆すには上下両院でそれぞれ3分の2以上の票が必要で、現時点ではハードルが高い。

造反の主因は、壁の建設そのものへの反対からではない。合衆国憲法は予算決定の権限を議会が持つと定める。ただ非常事態を宣言すれば、議会採決を経ずに大統領が資金の使途を決めることができる。通常は外国からの差し迫った危機があるなどの場合に限られるが、トランプ氏が拒否権を発動すればこうした異例の状態が続くことになる。

「憲法に定める議会の役割に大統領が敬意を払うことが不可欠だ」と造反した共和のポートマン議員は語った。自らの権限を損なうような動きに反発する議員の心理は与野党を問わない。こうした事情もあり、共和の上院トップ、マコネル院内総務は造反しそうな同僚議員に圧力をかけて翻意を促すようなことはしなかったとされる。

政権側の説得工作のずさんさも混乱に拍車をかけた。米紙ワシントン・ポストによると、ホワイトハウスは造反議員から求められていた情報を十分に提供しなかったという。ペンス副大統領も説得に回ったが、造反を止められなかった。

議会からトランプ氏への異議申し立ては2日連続だ。上院は13日、共和から7人が造反し、イエメン内戦に介入するサウジアラビアへの軍事支援を終わらせるよう求める決議案を可決した。サウジ記者殺害に関与した同国政府を擁護するトランプ政権に対し、共和内には人権問題の観点から批判が噴出していた。

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