2019年3月22日(金)

マウントゴックス社長、横領は無罪 東京地裁判決

社会
2019/3/15 10:11 (2019/3/15 13:40更新)
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仮想通貨交換会社「マウントゴックス」(民事再生手続き中)からビットコインが大量に消失したとされる事件に絡み、東京地裁(中山大行裁判長)は15日、同社社長、マルク・カルプレス被告(33)に対し、業務上横領罪など一部について無罪とする判決を言い渡した。私電磁的記録不正作出・同供用罪の成立を認めて懲役2年6月、執行猶予4年とした。

会社法違反(特別背任)罪についても無罪とした。検察側は懲役10年を求刑していた。

同被告は公判で全面無罪を主張し、大量消失についても「ハッキングされて盗まれた」と自身の関与を否定。警視庁の捜査でも、コイン消失の原因は解明されないままとなっている。公判で問われたのは大量消失とは直接関係のない資金操作を巡る罪で、弁護側も「起訴内容はマウントゴックスの破綻とは無関係だ」と強調していた。

業務上横領罪の起訴内容は、顧客の資金を管理していた口座から自身の口座などに計約3億4千万円を送金して着服し、事業買収や生活費などに充てたとするもの。同被告は「顧客のお金を不正に使ったことはない。会社からの貸付金として会計処理した。後で精算するつもりだった」などと無罪を訴えていた。

中山裁判長は判決理由で、利用者が同社に送金した金銭は、同社に帰属すると指摘。金銭が利用者に帰属することを前提にした検察側の主張は採用できないと判断した。

その上で、同社は当時経営が順調で、カルプレス被告が会社のために相当額の出費をしていたことから、会社からの借り入れは相当程度許され、返済についても同被告の裁量が認められると指摘。問題とされた送金は同被告に対する貸し付けで、返済の現実的可能性もあったと認定し、横領行為には当たらないと結論づけた。

検察側が予備的な訴因として追加した会社法違反罪についても「会社に財産上の損害がなく、自身の利益を図ったり会社に損害を与えたりする目的もなかった」として成立を否定した。

取引システムのデータを改ざんしたとする私電磁的記録不正作出・同供用罪については「権限を乱用して本来存在しない米ドル口座残高の増加を示す記録を作り出しており、内容が虚偽であることは明らか」と指摘。「利用者の信頼を大きく害するものだった」と批判した。

判決によると、カルプレス被告は2013年2~9月、同社の取引システムに接続し、自身の口座に3350万ドルが入金されたようにデータを改ざんした。

マウントゴックスは14年2月、当時のレートで約480億円相当のビットコインと現金約28億円が消失したと発表。同年4月に東京地裁が破産手続きの開始を決定した。その後のビットコインの値上がりなどを受け、18年6月にビットコインのまま債権者に返還できる民事再生手続きに変更した。

コイン消失事件に関する警視庁の捜査は事実上終結している。

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