2019年8月24日(土)

フェイスブック、ナンバー3が退社 CEOの後継候補

2019/3/15 8:00
保存
共有
印刷
その他

【シリコンバレー=中西豊紀】米フェイスブックは14日、サービス全体を統括する主要幹部のクリス・コックス氏が退社すると発表した。同氏はマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の側近だったが、最近は「意見の相違」(米メディア)があったとされる。プライバシー重視の戦略にかじを切ろうとする同社だが、内部体制のほころびが目立ち始めた。

コックス氏は創業直後の2005年からフェイスブックに所属していた。当時まだ15人しかいなかった同社の初期エンジニアのひとりで「ニュースフィード」など主要な交流サイト(SNS)の開発や人事を手掛けた。

コックス氏(左)はザッカーバーグCEOの側近として知られていた

コックス氏(左)はザッカーバーグCEOの側近として知られていた

14年には最高プロダクト責任者(CPO)に昇格し、18年からはフェイスブックのほか写真共有アプリの「インスタグラム」、対話アプリの「ワッツアップ」など主要サービス全般の統括を担当していた。シェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)に次ぐ社内ナンバー3として知られザッカーバーグ氏の後継候補とも見られていた。

ザッカーバーグ氏は14日に出した声明で「別のことをしたいというクリスと、数年にわたって議論を重ねてきた」と説明。コックス氏が退社の意向を以前から持っていたことを強調した。

ただ、一部の米メディアは今回の退社に内紛の可能性を指摘している。ザッカーバーグ氏は対話アプリの「メッセンジャー」やインスタグラム、ワッツアップを機能統合し、プライバシーを重視したサービスを展開する方針を示している。一方、コックス氏はこれに反発していたとの見方だ。

コックス氏は14日、自身のフェイスブックページに「会社はこれから新しい方向に向かう。そこに興奮を覚えるリーダーが必要だ」とコメントした。米ニューヨーク・タイムズは、これについて複数の社員への取材を基に「(ザッカーバーグ氏への)反対をほのめかすものだ」と断じた。

フェイスブックは同日、ワッツアップの担当副社長、クリス・ダニエルズ氏の退社も発表した。ザッカーバーグ氏は声明で二人の辞任を「新たな章の始まり」と総括し、「より優れたリーダーを育成する機会になる」とした。

同社の元幹部の一人は「データ共有型からプライバシー重視型の企業への移行を本気で進めるために体制を一新した可能性がある」と今回の退社劇を分析する。とはいえ、大きな戦略転換を計ろうとする中での主要幹部の流出はザッカーバーグ氏の求心力に影を落としかねない。

フェイスブックでは18年3月の膨大な個人情報の漏えいが発覚した不祥事以降、インスタグラムやワッツアップの創業者が会社を辞めるなど、人材流出が相次いでいる。ザッカーバーグ氏との路線対立が背景にあったもよう。ニューヨーク・タイムズは戦略転換を急ぐザッカーバーグ氏が社内で支配力を強めていることに不安を感じる幹部がいるとしている。

「我々には大事な仕事が残っている。引き続き世界をひとつに近づけていく」と声明を締めくくったザッカーバーグ氏。前途にはまだ多くの困難が待ち受けていそうだ。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。