2019年5月20日(月)

トヨタ、米投資130億ドルへ 新NAFTA見据え増額

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2019/3/15 0:56
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トヨタ自動車は15日、2017年から5年間の米国での総投資額が100億ドル(約1兆1000億円)から130億ドルに増える見込みだと発表した。新たに7億5000万ドルを投じ、ハイブリッド車(HV)や部品を増産する。北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しで、部品の域内調達率を75%以上に高める必要があるため。投資拡大を求める米政府への貢献をアピールする狙いもある。

今回の新規投資で雇用も約600人増えるという。

米国とメキシコ、カナダの新NAFTAは議会での承認後、20年にも発効される見通しだ。部品の域内調達率を現行の62.5%から75%に引き上げ、新たにHV部品も対象となる。未達なら域内の輸出入に最大25%の関税がかかる。トヨタはこれまで5年間で米国に100億ドルを投じる方針を示していた。

トヨタは米国でハイブリッド車や部品を増産する

トヨタは米国でハイブリッド車や部品を増産する

計画ではマツダと共同で建設中のアラバマ新工場、今回発表した既存工場の増産や未公表の投資を加えて、5年間で130億ドルに増える。

ケンタッキー工場で5月から高級車レクサスのセダン「ES」のHV、20年から多目的スポーツ車(SUV)「RAV4」のHVを生産する。HV向けのAT(自動変速機)ユニット、アラバマ新工場向けのエンジンなども増産する。北米トヨタ代表のジム・レンツ執行役員は「売るところで作るという方針を具現化する」とコメントした。

豊田章男社長は15日に米ワシントンで講演し、創業者の米国自動車殿堂入りへの謝意、米国事業の貢献のあり方などを説明する予定だ。

トヨタ単体の18年の米国販売は約243万台で、世界全体の4分の1を占める。利益率の高いSUV、大型で荷台のあるピックアップトラック、高級車ブランド「レクサス」の販売が多い。重要な市場だが、保護主義の米トランプ大統領は17年1月、トヨタのメキシコ新工場にからみ「ありえない。米国に工場をつくらないなら巨額の『国境税』を払え」と批判。トヨタは直後に米国に5年間で100億ドルを投資する方針を表明した。

インディアナ工場の増産、ケンタッキー工場の大幅刷新、マツダとのアラバマ州での新工場建設――。トヨタは17年1月以降、米国の投資を相次いで発表し、今回の投資で少なくとも累計で50億ドル規模になる。

今回明らかにした投資は新NAFTAへの対応が中心だ。トヨタの米国販売に占める日本からの完成車の輸出比率は1980年に99%だったが、90年に66%、2018年は28%に下がった。それでも18年の日本から米国への輸出は約69万台で、日系メーカー全体の4割を占める。

今後の焦点は日米両政府が4月にも始める物品貿易協定(TAG)交渉での自動車の関税に移る。トランプ政権の保護主義の通商政策を巡り、自動車メーカー各社は生産車種や部品の供給網の見直しを迫られている。

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