2019年8月24日(土)

「桐生織」、中国に売り込む 生産者らが推進委

2019/3/15 1:00
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群馬県桐生市の名産「桐生織」の生産者や外部の専門家、日本貿易振興機構(ジェトロ)は連携し、桐生織の輸出拡大に取り組む。2018年に桐生織物協同組合などが「海外ブランド推進委員会」を設立。衣料品市場の縮小傾向に歯止めが掛からない中、経済成長が続くアジアでの市場開拓の足がかりを得ることを目指す。

桐生織がジェトロの18年度の地域団体商標海外展開支援事業に採択されたことを受け、組合やブランディングの専門家らが事業を担う推進委を設立した。事業期間は20年度までの3カ年。ジェトロが年300万円を上限に活動資金を支援する。

立体的な仕上がりが特徴の「カットジャカード」の輸出を目指す

立体的な仕上がりが特徴の「カットジャカード」の輸出を目指す

桐生は布を織る機屋(はたや)や染色、デザイン、2次加工業者などが集まる分業型産地で知られる。市内だけで染色から縫製まで、一貫してファッション素材を製造・加工できるのが強みだ。ただ、推進委でプロデューサーを務める大谷啓介氏は「何でもできるというのは、第三者からは特色がないと見られてしまう」と指摘する。

推進委では、海外市場で桐生織の付加価値を伝えやすい素材として「カットジャカード」を採用した。糸の一部を織り込まずに切って立体的に表現するのが特徴。複雑な模様を表現でき、作業工程も多いことから、分業型産地の強みを生かせると判断した。

18年秋からは中国やドイツの店舗や展示会を視察し、海外の市場動向を調査。欧州に比べて競合産地が少ない一方、カットジャカードの需要が比較的高い中国に輸出目標の地域を絞り込んだ。桐生織は中国で流通する織物の平均価格の3倍といい、デザインや素材にこだわった高級服の布地として売り込む。

今後は中国の服飾デザイナーを桐生に招待し、産地としての認知度を高めてもらう。19年度は桐生織のカットジャカードを使った洋装の試作品を作るほか、中国での商標登録も進める方針だ。中国語でも表記するウェブサイトを立ち上げる計画で、20年度には大規模イベント「上海ファッションウィーク」への出展を目指す。

組合によると、組合員数は90年代初めに600を超えていたが、担い手の高齢化などで18年は94まで減少している。一方、18年の輸出向けの桐生織の生産額は2億円と、総生産額の6%にとどまる。輸出先の6割強を占めるアジアで販路を開拓し、生産額を伸ばすことで、組合員数の減少に歯止めを掛けたい考えだ。

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