2019年3月25日(月)

ムーミンの世界、埼玉・飯能に 物語を追体験

サービス・食品
コラム(地域)
南関東・静岡
2019/3/15 6:30
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フィンランド童話のムーミンや北欧の世界観が体験できるテーマパーク「メッツァ」(埼玉県飯能市)が16日、全面開業する。本場のフィンランド以外では初のムーミンのテーマパークだ。宮沢湖や周辺の緑を生かして、物語に登場する建物や展示施設を整備。物語を追体験できるような空間を演出し、関東圏やアジアなど海外から誘客する。

メッツァは2018年11月に先行開業した雑貨などを販売する「メッツァビレッジ」と、新たに完成したアトラクションや展示施設が集まる「ムーミンバレーパーク」で構成する。入園はバレーパークのみ有料で、中学生以上は1500円。

レストランやグッズ販売店がある入り口を抜けて宮沢湖に沿って歩くと現れるのが、メインエリア「ムーミン谷」だ。泳ぐのが好きなムーミン一家が使う小さな水浴び小屋が宮沢湖のほとりに建つ。

ムーミン一家の住まい「ムーミン屋敷」は作者のトーベ・ヤンソンが残した図面を参考に再現した。キッチンなどの内装にこだわっており、ムーミンらの暮らしぶりがうかがえる。「エンマの劇場」と呼ぶステージでは、ムーミンらが歌やダンスを披露する。アトラクション施設「海のオーケストラ号」は壁や床に映像を投映し、ムーミンパパが友人らと挑戦した冒険の旅を体感できる。

「エンマの劇場」ではムーミンらによるダンスや歌のショーを開く

「エンマの劇場」ではムーミンらによるダンスや歌のショーを開く

若者の間でキャラクターとしてのムーミンの認知度は高いが、作品を知っている人は多くない。運営会社のムーミン物語(埼玉県飯能市)は「ムーミンバレーパークで物語の背景や作者の思いなどを深く学べるようにした」。展示施設「コケムス」では作品中の印象的な言葉、ムーミン谷に暮らす個性豊かなキャラクターを紹介している。

先進的な取り組みで知られる北欧の教育要素も展示に取り入れている。例えば、体感展示絵本「それからどうなるの?」。入り口となる絵本表紙を通り、展示セットの穴をくぐって進むと、色鮮やかな絵本の場面が次々と目に飛び込んでくる。

物語に登場する建物や自然を生かし、のんびりとした雰囲気とした

物語に登場する建物や自然を生かし、のんびりとした雰囲気とした

絵本に迷い込んだような気分になるが、場面を説明する表示はない。周りから聞こえる声の主は、作者のトーベ。フィンランド語のナレーションが流れる。自ら想像し、好奇心を持って絵本を読むきっかけになるように、日本語の表示や音声を使った詳しい説明はあえてしないという。

宮沢湖などの自然を生かした遊びも見どころだ。空中に張ったワイヤで湖面を滑空する「ジップライン」や物語に登場するアスレチックも用意した。プレオープン日に来場した東京都内に住む石川智子さん(43)は「自然の中でゆっくりと過ごしたいときに訪れたい」と話す。

■「絵」になる風景、SNS発信で集客期待

メッツァは年間100万人の来場を目標に掲げるが、都内から離れたテーマパークへの集客は容易ではない。運営会社のムーミン物語は西武鉄道と連携してPRするほか、SNS(交流サイト)を活用して目標達成をめざす。

来場者によるSNSでの発信を見据え、できるだけ撮影NGの場所を設けないようにしたという。「自然と北欧風の園内はどこを切り取っても『絵』になる」(同社)と自信を持つ。2018年11月の先行開業以降、多くの来場者が撮影した写真をSNS(交流サイト)に掲載し、写真が拡散しているという。

西武鉄道の駅にポスターや電子広告を掲示しているほか、西武鉄道が9日には最寄りの飯能駅を北欧風のデザインにリニューアルした。駅に到着したときから、北欧気分を味わえるようにした。

長期的な誘客には、ムーミンバレーパークだけでなく、先行開業したエリア「メッツァビレッジ」の魅力創出が重要になる。同エリアは北欧の雑貨販売のほか、湖でのカヌー体験、北欧の教育ノウハウを取り入れたワークショップなど、多様な体験サービスを提供する。期間限定のイベントも開催し、先行開業から約1カ月で約10万人が来場。「予想を超えるペース」(同社)だという。

同社は多額の投資が要るアトラクション設備に過度に依存せず、宮沢湖などの自然環境を生かして北欧の空間を演出した。「来場者が主人公になれるような特別な体験の提供」(同社)で、既存テーマパークとの差別化を図る。(藤田このり)

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