2019年6月19日(水)

被害一時金は320万円、与野党が決定 強制不妊の救済法

2019/3/14 19:02
保存
共有
印刷
その他

旧優生保護法(1948~96)下で障害者らに強制不妊手術が繰り返された問題で、与野党は14日、被害者に一時金320万円を支払うことを決めた。被害者に補償しているスウェーデンの事例を参考にした。一方、各地で起きている国家賠償請求訴訟の請求額は3千万円前後で、請求額との隔たりに被害者からは反発の声も上がっている。

同日、与党ワーキングチーム(WT)と、野党も入る超党派議連がそれぞれ会合を開き金額を決定し、救済法案の内容が固まった。与野党は4月初旬にも議員立法として国会に提出し、月内の成立、施行を目指す。

過去に強制不妊手術を行っていたスウェーデンでは1990年代後半から被害者に17万5千クローナを支払っている。物価変動などを反映させると現在は約312万円に換算され、与野党はこうした金額を目安にして支給額を定めた。

金額については国賠訴訟の原告からは不満が漏れる。不妊手術を強制された宮城県の60代女性の義姉は「なぜ海外の事例を参考にしなければならないのか。被害者が納得できる金額でなければ法律の意義が小さくなる」と批判する。

与党WT座長の田村憲久・元厚生労働相は「なるべく多くという思いはあったが根拠が必要。スウェーデンの事例がある中、一番多く支払える額を選んだ」と説明。超党派議連の尾辻秀久会長は「要望にきっちり応えられていないことは認める。被害者の方に、まずは形を示したかった」と理解を求めた。

救済法案の対象は旧法施行時に不妊手術を受けた人。本人のみで亡くなっている人や配偶者は含まない。旧法下の社会的な風潮で手術が行われてきたことを踏まえ、手術記録のない人や、本人が形式的に同意した上で手術を受けた人も含める。手術記録がない場合は、厚生労働省内に設置する専門家による審査機関が手術痕や本人の証言などを総合的に判断し、厚労相が被害を認定する。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報