2019年5月20日(月)

EU、中国は「競合相手」 関係見直しへ10項目

ヨーロッパ
2019/3/14 18:37
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【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)は21~22日にブリュッセルで開く首脳会議で、中国の経済・政治的な影響力の拡大を受けた対中戦略の見直しを協議する。EUの執行機関の欧州委員会は12日、議論のたたき台として10項目の行動計画を提案した。次世代通信規格(5G)など重要インフラへの中国勢の影響拡大に懸念を示したほか、中国の国営企業がEU市場に与える悪影響の排除などを掲げた。

対中関係見直しを説明する欧州委員会のカタイネン副委員長(12日、仏ストラスブール)=欧州委員会提供

「中国は競合相手だ」――。行動計画は気候変動やイラン核合意の堅持などの分野で中国との連携強化を打ち出す一方、通商や次世代テクノロジーの主導権争いでは中国への警戒感を前面に押し出した。首脳会議で採択し、EUの対中戦略の基本姿勢とする方針だ。

欧州ではドイツ、フランスを中心に、中国勢によるEU域内のインフラやハイテク産業への投資拡大を警戒する見方が強まっている。一方、中東欧や南欧は中国の投資マネーに期待する。中東欧16カ国は中国と定例の首脳会議「16プラス1」を設置し、協力を深めている。EU中核国の一角のイタリアも中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」を巡る覚書への署名を検討するなど、EUの足並みには乱れも目立つ。

欧州委は対中戦略でEU加盟国の「全面的な結束」が欠かせないと強調。EU加盟国が中国と協力関係を築く場合はEUのルールや政策を順守する責任があると訴えた。

5Gネットワークに関しては、EU共通のサイバーセキュリティー政策を構築するため、EU首脳会議と協議したうえで加盟国への「勧告」を提示すると表明した。

5Gを巡っては、米国がEU加盟国に対し中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)の排除を求めている。欧州委は「将来のEUの経済社会の根幹」となる5Gネットワークへの外国製品の使用は「EUの安全保障を危機にさらすリスク」と警鐘を鳴らした。

欧州委は、中国の国有企業や政府による補助がEU市場をゆがませることがないようEUルールの見直しも進める。19年末までに課題の洗い出しを終える方針だ。

例えば、現状でEUは政府が一部の企業を支援し公正な競争を妨げる「国家補助」を禁じるが、対象は加盟国が提供する優遇措置だけだ。

政府調達では、中国に同国市場をEU企業へ開放するよう訴え、EU市場での受注を目指す中国企業には高い環境基準や労働者の権利保護を求めるガイダンス(指針)を19年半ばまでにまとめる。中国勢の参入拡大で過剰な価格競争が生じる事態を防ぐ狙いだ。

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