新元号の考案者選び 国文学者らも対象に 政府答弁

2019/3/14 2:00
保存
共有
印刷
その他

政府は13日の参院予算委員会で、4月1日に公表する新元号の選定など皇位継承に関する一連の手続きについて説明した。新元号の考案を委嘱する学者では中国古典(漢籍)に詳しい漢文学者だけでなく、国文学や日本史学の専門家も対象とする方針を明らかにした。

13日の参院予算委で答弁する安倍首相=共同

今回の新元号選定を巡り、政府の国会答弁で考案者の具体的な専門分野に触れたのは初めてとみられる。安倍晋三首相は「広く国民に受け入れられ、生活に深く根ざしたものとなるよう意を用いる」と述べた。

政府は新元号の考案について、首相が「高い識見を有する者」を選んで委嘱するとし、具体的な専門分野までは定めていない。考案者は若干名とし、それぞれ2から5の候補案の提出を求める。

内閣官房の吉岡秀弥内閣参事官は13日の参院予算委で「国文学、漢文学、日本史学、東洋史学などについての学識を有する人の中から委嘱する」と述べた。元号は慣例で漢籍を出典としてきたが、漢字で書かれた日本古典も対象とする考えを示したものだ。立憲民主党の長浜博行氏への答弁。

政府は「平成」の考案者を公にしていない。関係者の証言では平成への改元の際も中国文学や東洋史学に加え、国文学の専門家にも考案を委嘱したとされる。吉岡氏は新元号の考案者について「現時点で決まっていない。今後正式に委嘱手続きを進める」と説明した。

新元号の決定に先立ち開く各界の有識者らによる懇談会のメンバーでは菅義偉官房長官が「人数を含め現在検討中だ」と述べた。平成改元時は学識経験者ら8人だった。

菅氏は皇位継承に合わせた恩赦の実施を「やるともやらないとも、まだ具体的な検討はしていない」と語った。1989年には昭和天皇の逝去、90年には天皇陛下の即位に伴い恩赦を実施した。道路交通法や軽犯罪法違反などが対象となった。

皇太子さまの新天皇即位に伴う「大嘗祭(だいじょうさい)」は前例を踏襲し、国事行為ではなく皇室行事として営む。宮内庁の西村泰彦次長は「宗教上の儀式としての性格を有するとみられることは否定できない」と理由を説明した。費用については「国として深い関心を持ち、挙行を可能にする手立てを講じることは当然だ」とし、公費である宮廷費から拠出するとの見解を示した。

秋篠宮さまは昨年11月に「宗教色が強いものを国費で賄うことが適当かどうか」と述べられ、公費を支出すべきでないとの考えを示していた。

13日の予算委では皇室を巡る今後の課題も議論した。西村氏は代替わり後に皇室が担う公務について「象徴としてのあり方は社会の変化に応じた形で変わる」と指摘。「新天皇陛下の考えも伺いながら万全のお支えをしていきたい」と語った。

首相は皇族数の減少に対応するための女性宮家の創設の是非について「男系継承が古来、例外なく維持されてきた重みを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討する必要がある」との認識を示した。

17年に成立した天皇陛下の退位特例法の付帯決議では、安定的な皇位継承を確保するため女性宮家の創設が重要課題だと明記した。ただ女性宮家の創設を巡っては伝統を重んじる議員らからの反対意見が多く、具体的な検討は進んでいない。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]