トヨタグループ、ベア非開示広がる
総額重視に転換、トヨタに追随

2019/3/13 19:54
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トヨタ自動車のグループ各社の2019年春季労使交渉は13日、集中回答日を迎えた。今交渉ではトヨタの労働組合が賃金改善にあたるベースアップ(ベア)相当額を要求に明示せず、回答でも開示はなかった。豊田自動織機アイシン精機など主要各社の労使にも同様の動きが広がり、ベア非開示が相次いだ。景気の不透明感などを背景に、平均の賃上げ額はいずれも前年割れとなった。

記者会見する全トヨタ労連の山口健事務局長(13日、愛知県豊田市)

「今後の課題解決に向けた道筋を共有できた労使も少なくない」。トヨタグループ各社の労組で構成される全トヨタ労働組合連合会の山口健事務局長は13日、愛知県豊田市で記者会見し、今労使交渉をこう評価した。

トヨタは18年春季交渉でベアに相当する賃金改善分の実額を非開示に。今交渉から、会社の回答に合わせる形でトヨタ労組は要求にベアの実額を明記しない方針とした。

全トヨタ労連もグループ間の格差を是正するため、総額重視の姿勢に転換。要求段階でベアを明示するかは各労組に委ねた。トヨタやグループの主要各社とベアの金額を比較せずに、それぞれが抱えた課題を労使で議論させるのが狙いだった。

トヨタの回答額は人への投資を含め1万700円となった。一時金については夏を120万円とし、冬については協議を継続する。

グループ主要7社では豊田自動織機やアイシン精機グループなどデンソー豊田合成を除く5社が要求段階でベアを明示せず、総額重視の方針をとった。豊田自動織機の回答額は9200円。アイシン精機グループの回答額は8900円だった。

トヨタ自動車労働組合の西野勝義執行委員長は「個別の賃金課題について前向きな回答をもらった。要求方式を変えたことで取ることができた」と総額重視に転換した手応えを語った。

全トヨタ労連によると、18年よりも集中回答日までに妥結した組合の数は少ない。山口事務局長は「各労使で議論が深まった結果だ」と強調。「中小の組合が社の課題を洗い出して経営にぶつけ、手応えを得ている。議論が進むことでしっかりとした賃金制度ができ賃金の底上げにつながる」と期待する。

ただ米中貿易摩擦による景気の先行き不透明感などを反映し、トヨタ自動車とグループ主要7社全てで回答額が前年を下回った。「第3四半期決算での下方修正や足元の経済の不透明さを反映し、水準に関しては厳しい状況」(山口事務局長)。総額重視への転換が、グループ間の格差是正につながっていくかどうかが今後の焦点となる。

(吉田悟巳)

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