2019年6月16日(日)

ファーウェイ排除巡り苦慮 メルケル氏「米と協議」

2019/3/13 19:30
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【ベルリン=石川潤】ドイツのメルケル首相は12日、中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の次世代通信規格「5G」の通信網構築への参入について「我々は自分たちで独自の基準を作るが、米国とも話し合っていく」と述べた。独がファーウェイ参入を認めるなら、米独の機密情報の共有を制限するとトランプ米政権が警告していた。

メルケル独首相はファーウェイ排除を米国から求められている=AP

「5Gの展開にあたり、セキュリティーは極めて重要な課題だ」。メルケル氏は12日、記者団に強調した。ファーウェイ参入問題については米国や欧州諸国と協議する意向を示し、米への配慮をにじませた。

問題の背景には独政府が19日に予定する5Gの周波数帯の入札がある。2022年末までに98%の世帯が5Gを利用できるようにする計画で、ドイツテレコムや英ボーダフォンなど通信事業者4社が入札に参加する見通しだ。

入札に先駆けて独連邦ネットワーク庁が7日公表した5G構築の安全基準の骨子では、通信の秘密やデータ保護に関する安全基準に準拠した「信頼できる供給元」からの調達を通信事業者に義務づけた。なかでも中核の通信機器では独規制当局の認可を受けた製品しか使用できず、定期的な監視・安全試験も求めた。

ただ、低価格を強みに欧州でシェアを拡大してきたファーウェイについて、安全基準では排除を明示しなかった。同社製品採用の是非は、通信事業者の自主的な採用計画と、規制当局による認可判断に委ねた形だ。ドイツテレコムは18年12月の声明で「中国メーカーの機器のセキュリティー問題についての議論を深刻に受けとめている」と述べた。

ロイター通信によると、メルケル政権で米独関係を担当するペーター・ベイヤー議員は「中国政府に近い企業が安全基準を確かに満たせるかどうか、疑問を持つのは当然だ」との声明を出した。

これに対し、トランプ米大統領に近いグレネル駐独米大使は翌8日、アルトマイヤー独経済相に書簡を送り、5G構築へのファーウェイの参加を許すなら従来のように機密情報を共有できなくなると警告した。

米国は中国企業への安全保障上の懸念を強めている。18年8月に成立した国防権限法では、ファーウェイなど中国5社から米政府機関が製品を調達するのを19年8月から禁じ、20年8月からは5社の製品を使う企業との取引も打ち切る。

米は機密情報提供の制限をちらつかせることで、ファーウェイ包囲網への参加を呼びかける。米と機密情報を共有するオーストラリア政府は18年8月、米の要請に応じて5Gへのファーウェイ参入を禁じた。

ファーウェイの西欧地域の責任者は、米国がドイツに圧力をかけていることについて、独メディアに「国家は政治的権力を使い企業を傷つけるべきではない。米国は行き過ぎだ」と語った。

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