ワンセグ契約「義務ある」NHK勝訴が確定
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自宅にテレビがなく、ワンセグ機能付き携帯電話だけを持っている場合、NHKと受信契約を結ぶ義務があるかが争われた4件の訴訟で、最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は13日までに、原告側の上告を退ける決定をした。契約義務があるとしたNHK勝訴の東京高裁判決が確定した。
ワンセグ携帯の所持が、放送法が規定する放送受信設備の「設置」に当たるかが争点だった。高裁判決は「受信設備の設置には携行することも含まれる」と判断。ワンセグ携帯だけを持つケースでも受信契約を結ぶ義務があるとして、原告側の請求を退けた。
NHKによると、ワンセグ携帯を巡る訴訟は計5件あり、4件が最高裁に係属していた。うち1件で2016年8月、一審・さいたま地裁が「ワンセグ携帯の所持者に契約義務はない」との判決を言い渡したが、二審・東京高裁が取り消し、NHKが逆転勝訴した。
NHKの受信料契約は1世帯1契約。訴訟では自宅にテレビがない場合が問題となった。すでに契約済みの世帯が、ワンセグ携帯やワンセグ機能付きのカーナビなどを複数持っていても追加契約などは不要。受信料を巡る実務への影響はほとんどないという。
NHKは「主張が認められた妥当な判断だと受け止めている」とのコメントを出した。