IATA、航空貨物の需要見通し下方修正 貿易摩擦で
長期見通しは良好

2019/3/12 20:07
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【シンガポール=谷繭子】国際航空運送協会(IATA)は12日、世界の航空貨物需要が2019年、前年より2%伸びるとの見通しを発表した。18年12月に出した3.7%から下方修正した。米中貿易戦争の影響で世界的に貿易が低迷したためで、航空貨物の需要を示す有償トンキロ(FTK)は18年11月から3カ月連続でマイナス成長だった。米中協議で事態進展に期待が高まっているものの、需要低迷は当面続く見通しで、航空業界の業績にも影響を与えそうだ。

航空貨物市場は逆風が吹いている(アレクサンドル・ド・ジュニアックIATA事務局長)

IATAによると19年1月は前年同月から1.8%減少した。落ち込み幅は過去3年で最大。地域別では世界最大の市場であるアジアが1月、前年比3.6%減と、12月の4.5%減からやや持ち直したものの、引き続き世界で最低だった。

通年では18年の伸び率が3.5%と、在庫補充のピークだった17年の9.7%からすでに大幅に落ち込んでいる。

航空貨物が世界貿易に占める割合は容量では1%未満だが、金額では35%。世界の航空会社の売上高の9%を稼ぐ。アレクサンドル・ド・ジュニアックIATA事務局長は同日、シンガポールでの講演で「保護主義、貿易摩擦、英国の欧州離脱、反グローバル主義といった政治情勢は業界にとり深刻な懸念要因だ」と述べた。

ただIATAは長期的には電子商取引の普及など、航空貨物市場をけん引する構造的変化が起きていると指摘。むこう5年は年平均4.4%のペースで需要が伸びると予想した。

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