2019年7月19日(金)

石綿被害は「診断日から」、遅延金算定で初判断

2019/3/12 19:59
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アスベスト(石綿)が原因の肺がん患者に国が支払う損害賠償の遅延損害金の算定方法が争点になった訴訟の判決で、福岡地裁小倉支部は12日、「遅延損害金は、労災認定ではなくがんの診断にさかのぼって請求できる」との判断を示した。原告弁護団によると、石綿訴訟では初の判断。

遅延損害金は賠償金の利息に当たり、損害発生をどの時点とするかによって額が変わる。国は他の石綿訴訟の和解と同様に労災認定の日が起算日だと主張したが、井川真志裁判長は「肺がんの発症が損害であり、行政の決定がなくても認定できる」と退けた。

原告は北九州市に住む70代の男性。判決によると、1960~96年に同市門司区の建材工場で石綿を用いた屋根や壁の製造に従事した。2008年9月に肺がんの疑いがあると診断され、10年2月に労災認定を受けた。

判決は、請求通り1265万円の賠償と、肺がん疑いと診断された日から起算した遅延損害金の支払いを国に命じた。判決後の記者会見で男性は「労災認定の前から苦しみは続いてきた。訴えてきたことが認められてうれしい」と話した。

厚生労働省は「判決内容を精査し、関係省庁と協議して対応を検討したい」とコメントした。

石綿被害で国の賠償責任を認めた14年の「泉南アスベスト訴訟」最高裁判決を受け、国は条件を満たした元労働者らとの和解に応じている。〔共同〕

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