2019年8月21日(水)

EU、デジタル課税を断念 財務相理事会

2019/3/12 18:23
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【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)は12日、財務相理事会で米グーグルなどIT(情報技術)分野の大企業を主な対象とする「デジタルサービス税」を協議した。EUとしての新税導入に加盟国の足並みがそろわず、目標だった3月末までの合意を断念した。今後は経済協力開発機構(OECD)を舞台にした国際協調によるデジタル税の実現を目指す。フランスなど導入積極派は単独での課税にカジを切り始めた。

IT大手への課税を巡っては、現行の国際課税ルールでは税逃れを防げず、税負担が不公平になっているとの不満が広がる。このため欧州委は2018年3月、(1)中長期的な課税ルールの抜本見直し(2)抜本見直し実現までの「暫定措置」として課税対象を従来の利益から売上高に切り替える「デジタルサービス税」の導入を提案。EU域内の売上高に税率3%を課すよう求めていた。

しかし低税率で米IT大手などを誘致してきたアイルランドなどが導入に猛反発して調整は難航。EUでは税制の変更には全会一致の承認が必要となる。18年12月には推進派のフランスがドイツと連携して課税対象を絞る妥協案を提示。当初の目的だった18年末までの合意を見送り、19年3月末までの決着を呼び掛けたが、溝は埋まらなかった。

EUは今後、OECDで本格化している国際課税ルール見直しの下でのデジタル課税の実現を目指す構えだ。支店など企業が拠点を置く国での利益に課税する現行の国際課税ルールを見直す方針だが、米国がデジタル企業を狙い撃ちにせずに企業のブランド価値など無形資産への課税を提案するなど、各国の隔たりは大きい。衣料品などの高級ブランドを抱えるフランスは強く反発しており、税を巡る各国の攻防が熱を帯びてきた。

デジタル課税の推進役だったフランスなどはEUレベルの課税断念を受けて、国ごとの単独での課税にカジを切り始めている。フランスでは4月から課税法案の審議が始まるほか、英国やスペインなども単独課税の方針だ。国ごとに対応がばらつく事態となれば、域内のデジタル市場統合を進めるEUにとって痛手となる。

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