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医師の残業上限、年1860時間案 過労死ラインの2倍

厚労省が提示 労働組合などの反対根強く

(更新)

厚生労働省は13日、医師の働き方改革を議論する有識者検討会を開き、医師の残業時間の上限規制を最大で「年1860時間(月155時間相当)」とする報告書案を示した。医師は人の命を守る仕事の特殊性から一般労働者より緩い規制が議論されてきたが、「過労死ライン」の約2倍の残業を容認する案だけに、労働組合などの反対は根強い。

4月施行の働き方改革関連法で残業の上限規制が始まり、一般労働者は年720時間までだ。勤務医も対象だが実際の適用は2024年度からで、一般労働者とは別の規制を設ける。厚労省は医師向けの制度の詳細を3月中に固める方針だ。

地域医療を担う特定の病院の医師や技能向上が必要な研修医については「年1860時間」まで容認する

厚労省案では労災認定される「過労死ライン」(月80時間超)を踏まえ、一般医師は休日労働込みで残業時間の上限を年960時間までに規制する。そのうえで、地域医療を担う特定の病院の医師や技能向上が必要な研修医については「年1860時間」まで容認する。地域医療の上限は35年度末までの特例とするほか、研修医は本人の申し出によって適用する。

年1860時間という緩い規制の対象となる医師については連続勤務を28時間までに制限し、終業から始業まで9時間の休息確保を義務づける。

厚労省が上限時間の根拠としたのが、医師の約1割の残業時間が年1900時間を超えているという実態だ。医療現場は医師の長時間労働によって成り立っている面が強く、厳しい規制を当てはめれば医療が立ちゆかなくなるとの懸念がある。

厚労省は1月、地域医療を担う病院向けに残業上限を年1900~2000時間とする案を示していた。それより短縮したとはいえ、過労死ラインの2倍近くの残業を認めることに変わりはない。医療現場の混乱を避けたい医師会などは厳しい残業規制に難色を示している。

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