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女子ゴルフ開幕戦V 比嘉に芽生えた責任感

編集委員 吉良幸雄

ゴルフの全英オープン選手権の舞台、スコットランドの海沿いのリンクスコースを思わせる琉球の雨風に、順目と逆目でまるで速さが違う芝目の強い高麗グリーン。女子ツアーの今季開幕戦、ダイキンオーキッド(琉球GC)は、独特のコンディションに慣れ親しみ、ジュニア時代から出場している地元出身の比嘉真美子(25)、新垣比菜(20)が沖縄県勢として初のワンツーフィニッシュを果たした。また日本ツアー初参戦の宮里美香(29)が8位、米ツアーで奮戦する上原彩子(35)が13位と、地の利を生かした「ウチナンチュー」の活躍が目立った。

32回目となった大会はプロアマ戦が荒天のため中止となり、大会初日から強風が吹き荒れた。沖縄や米アリゾナ合宿でトレーニングや練習を行うなど充実したオフを過ごし、順調な仕上がりで初戦を迎えた比嘉は、開幕前に「天気によって変わるコースなので、風や雨に臨機応変に対応していくのがキーポイント。自然と友達になりながら、コースと向き合えたら」と話していた。その言葉通り、最大瞬間風速18.7メートルを記録、平均ストローク76.18と選手が軒並みスコアを崩した3日目も1アンダーの71と、山内日菜子(22)と2人だけのアンダーパーをマークした。後続に7打の大差をつけ、一人旅の旅支度。「本当に過酷でした」と振り返りながら「一打一打に集中した」結果、独走態勢を築き上げた。

優勝した比嘉は風を味方につけ、コースマネジメントにも頭をフル回転させた=共同

大会4日間を通じ、雨で重くなったフェアウエーはランが出ず、飛距離の出ない選手には厳しい状況。だが決勝ラウンドに進んだ54人中、比嘉の平均飛距離は葭葉ルミ(257.25ヤード)に次ぐ2番目の254.37ヤードと、飛ばしを武器にコースを攻略した。「リズムよくティーショットを振れていた。体が強くなり、軸がぶれにくくなった」。ハードなトレーニングの成果だろう。クラブを振る迫力、スイングスピードは他をしのぐ。本部町出身の比嘉は「風にぶつけるというより、利用して打つ」。風を味方に、コースマネジメントにも頭をフル回転。パット数は4日間平均27.50で1位と、多くの選手を泣かせたグリーン上でも精彩を放った。

今季、3勝と国内メジャー制覇狙う

6月に大相撲の勢関との婚約を発表した昨年は、賞金ランク4位。海外メジャーの全英リコー女子オープンでも4位と優勝争いに加わっている。プロ8年目の今季は、3勝と国内メジャー制覇が目標。これまでは2014年大会の2位が最高だったが、長年の夢だった地元Vで通算5勝目を飾り、畑岡奈紗(6位)、鈴木愛(31位)に次ぎ日本勢3番手の世界ランクも47位から41位へ上げ、代表枠2人が見込まれる20年の東京五輪(20年6月29日時点の世界ランクで出場選手が決定)へ順調なスタートを切った。沖縄県出身選手の優勝は04年宮里藍以来、15年ぶり2人目で、日本勢の開幕戦Vは13年森田理香子(同年は賞金女王)以来、6年ぶりのこと。将来の伴侶を得たことで精神的にも落ち着き、「ツアーを引っ張っていきたい」とトップ選手としての責任感も芽生えている。最終日に76と崩れたように、まだ詰めの甘さを残すが、今後どれだけ勝利を重ねるか、期待が膨らむ。全英4位の資格により、4月の海外メジャー第1戦、ANAインスピレーション(米カリフォルニア州)にも出場。再び世界の強豪と相まみえ、日本の第一人者として実力が試される。

うるま市在住の新垣は、18年4月にダイキン工業と所属契約した。12歳から出場しているが、今回は初めて「ホステスプロ」として大会を迎え、熱い注目を集めていた。カットラインぎりぎりの2オーバー、41位で予選突破すると、「ドキドキした」とひと安心。最終日はボギーなしの68をマーク、前日15位から2位タイに食い込み「親戚とか毎日20人くらい応援にきてくれた。最低でもトップ10を目指したが、今までで一番いい順位で満足」とほほ笑んだ。地道なトレーニングで体が少し大きくなり、フィニッシュまでクラブを振り切るスイングは安定感を増している。畑岡、勝みなみらとともに1998~99年生まれで同学年の「黄金世代」の先頭集団として、プロ3年目の飛躍が楽しみだ。

新垣はプロ3年目の飛躍が楽しみだ=共同

宮里、日本ツアーのメンバーに

新垣の興南高の先輩、宮里は米ツアー1勝、日本女子オープン2勝の実力者だ。ここ数年は苦戦が続き米ツアー撤退を決断。最終予選会を27位で突破、今大会から日本ツアーメンバーとして戦うことになった。初戦でトップ10入りし「全英みたいな難しいコンディションで、最終日(71と)伸ばせてよかった。開幕としてはまずまず」。一時は自信を失っていたが、自らのゴルフを立て直し「皆さんに少しでもいい報告ができるようにしたい」と地元ファンの声援に感謝していた。また上原は13年から米ツアーに参戦し、7シーズン目を迎えた。昨季は8月のポートランド・クラシック(オレゴン州)の3位がベスト、賞金ランク63位で賞金シードを堅持。今季は3戦とも予選はクリア、ISPSハンダ・ヴィックオープン(オーストラリア)で11位に入るなど無難に滑り出している。悲願の初優勝を目指し、ファウンダーズカップ(21~24日、アリゾナ)から再び米ツアーを転戦する。

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