日仏連合、新会議体設立 ルノー会長「日産会長求めず」

2019/3/12 16:00 (2019/3/13 0:32更新)
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企業連合を組む日産自動車と仏ルノー、三菱自動車の3社首脳は12日、記者会見を開き、新たな会議体の設置など連合の運営方針を説明した。

日産の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)、ルノーのジャンドミニク・スナール会長ともに日産とルノーの経営統合構想への言及を避けた。ルノー側は日産会長を指名するとの要求を取り下げた。3社は連合内の争点を棚上げし、合議による関係再構築を急ぐ。

連合のトップだった日産元会長のカルロス・ゴーン被告が2018年11月に逮捕されて以降、3社の首脳がそろって記者会見するのは初めて。連合は年間販売台数が1000万台を超える規模を生かし部品調達などで効果を出してきた。元会長逮捕後のぎくしゃくした状況が続けば運営に打撃となる恐れがあり、実務面の連携強化を優先する。

連合が新設するのは「アライアンス・オペレーティング・ボード」。ルノーの会長とCEO、日産のCEO、三菱自のCEOの4人を中心に構成し、ルノー会長が議長を務める。部品の購買・物流、研究開発、生産などの協業の戦略を練る。

連合内に2つあった統括会社の機能は実質的に新会議体に集約し最高意思決定機関とする。合議で意思決定し、その過程も透明にすることで、独断で決めてきたゴーン体制から決別する。新会議体の議長に就くスナール会長は「組織を簡略化し、効率化する」と強調した。西川社長は「連合の安定化に非常に大きな一歩だ」と話した。

ゴーン元会長の逮捕後、ルノーの筆頭株主である仏政府が描く日産とルノーの経営統合構想や、仏側が指名する考えを示した日産の会長人事を巡り、日仏間で対立が起きた。スナール会長は統合構想について「仏政府は株主で尊重しているが、日産、三菱にも将来がある。将来に集中したい」と話し、新会議体は「株式の持ち合いや資本構成には全く影響ないものだ」と説明した。

西川社長は「機能統合など外形的な統合にエネルギーを割くより本来すべきことを確認したい」と指摘。「(統合議論が)数カ月内に来ることはない」と棚上げになるとの考えを示した。

一方、日産会長人事に関し、スナール氏は「日産の会長になろうとは思っていない」と明言。「日産が設置した(企業統治の)専門委の議論を尊重する」とも述べた。3社連合の合意文書では「ルノー会長が日産の取締役会副議長(代表取締役)に適した候補者であると想定される」と明記された。スナール氏は日産が新設する副議長に就く見通しで、ルノー側が譲歩した形だ。

資本関係の見直しなどの課題は先送りされ、火種は残る。合議制で意思決定が遅くなり、実効性ある戦略を打ち出せるかも課題となる。

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