2019年5月22日(水)

英・EU、離脱案見直しで合意 英議会了承は不透明
従来方針を共同文書で強化

英EU離脱
ヨーロッパ
2019/3/12 9:20
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【ロンドン=中島裕介、ブリュッセル=森本学】英国のメイ首相と欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は11日夜(日本時間12日早朝)、仏東部ストラスブールで会談した。英国のEU離脱協議の懸案だったアイルランド国境問題の見直しに向けた2つの共同文書で合意した。英国がEUのルールに縛られ続けないとする条項を1月に英議会が否決した離脱案に追加し、法的拘束力を持たせるのが特徴だ。

メイ首相とユンケル委員長は離脱案を巡り、ぎりぎりの調整を続けた(11日)=ロイター

メイ首相とユンケル委員長は離脱案を巡り、ぎりぎりの調整を続けた(11日)=ロイター

ただ共同文書の内容は従来の英・EUの方針の延長線上にとどまっている。メイ首相は12日に共同文書を追加した離脱案を英議会下院に諮るが、与党内からもすでに反発の声が出ており、承認が得られるかは不透明だ。

メイ英政権とEUが2018年11月にまとめた離脱案では厳格なアイルランド国境管理の復活を防ぐための「安全策」として、国境管理の回避策が見つかるまで英国全土を関税同盟に残す規定を盛り込んだ。だが英議会が「EUルールに縛られ続ける」と猛反発し、離脱案は1月に大差で否決されていた。

11日に合意した共同文書では、まずEUが英国を永続的に安全策に拘束し続けないとする方針を確認した。英・EUで安全策を巡り争いが生じた場合には、独立した第三者の仲裁機関で紛争を処理することも盛り込んだ。

安全策を発動させないため、20年12月までに国境管理の回避策を見つけられるよう、英・EU双方が努力することも明記した。いずれも英国が恒久的にEUのルールに縛られるわけではないことを示したものだ。

メイ首相は会談後の記者会見で「必要な見直しは勝ち取った。団結してEU離脱を国民に届ける時が来た」と国内の反対派に支持を訴えた。ユンケル委員長は「3度目のチャンスはない」と強調。さらなる共同文書のとりまとめには応じない姿勢を示した。ユンケル氏は同時にトゥスクEU大統領への書簡を公表し、21日から開くEU首脳会議で共同文書を承認するよう要請した。

ただ仲裁機関での紛争処理を除けば、共同文書はこれまで英・EUが確認してきた内容にとどまる。アイルランドの国境問題の解決策が見つからなければ、英国が関税同盟に残り続ける可能性は消えない。与党内の強硬離脱派からは「楽観的に受け入れられる内容ではない」との意見が出ている。

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