米財政赤字1兆ドル超 予算教書、インフラ投資盛る

2019/3/12 4:57
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【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権は11日、2020会計年度(19年10月~20年9月)の予算教書を議会に提出した。中国やロシアへの対抗から国防費の増額などを要求し、財政赤字は19年度から4年連続で1兆ドルを超える見込みだ。10年間で2000億ドルのインフラ投資予算も盛り込んだ。経済成長で税収増が見込めると主張するが、政権、議会ともに財政再建の機運は乏しい。

2020会計年度の予算教書=ロイター

2020会計年度の予算教書=ロイター

20会計年度の歳出全体は、前年度比5%増の4兆7460億ドルを見込んだ。社会保障給付など「義務的経費」は2兆8410億ドル、国防費や公共事業費などの「裁量的経費」は1兆4260億ドルとした。税収などの増額を見込んだものの、歳入は全体で3兆6450億ドルにとどまると分析した。

20年度予算で増額を求めるのは国防費だ。トランプ政権は中国やロシアとの対抗姿勢を強めており、国防費は19年度の7160億ドルから7500億ドルへと5%増額するよう促した。追加の経済対策としてインフラ投資の予算も10年で2千億ドル計上するよう要求した。トランプ大統領は地方レベルの支出と合わせて、10年で1.5兆ドルのインフラ投資を公約している。

ただ、財政赤字は19年度以降、4年連続で1兆ドルを超える見込みだ。1兆ドルの大台を突破するのは、金融危機の影響が残っていた12年以来だ。米経済は拡大局面が10年目に突入しているが、好況期に財政収支が大幅に悪化するのは異例。政府債務は22兆ドルに達しており、利払い費だけでも4790億ドル(20年度)と主要国で際立って重い。

そのためトランプ政権は「裁量的経費」のうち教育や科学技術など非国防費は5%削減するよう求めた。年金や医療保険など「義務的経費」も、薬価の引き下げなどで当初見込みよりコストを抑える。年3%の経済成長を実現することで税収を増やし、年1兆ドルに膨らむ財政赤字を15年以内にゼロにすると主張した。

米国では税財政の立案・決定権が連邦議会にあるため予算教書に強制力はないが、同案は今後の議会審議のたたき台となる。ただ、トランプ政権はメキシコ国境の「壁」の建設費として、改めて20年度予算に86億ドルを計上するよう要求しており、下院で多数派を奪還した野党・民主党の反発は必至だ。民主党は非国防費の一律圧縮にも反発しており、予算審議は「ねじれ議会」で紛糾が避けられない。

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