2019年3月25日(月)

米国防費5%増額 予算教書、「壁」建設費に86億ドル

トランプ政権
経済
北米
2019/3/12 1:18
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【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権は11日、2020会計年度(19年10月~20年9月)の予算教書を議会に提出した。社会保障給付を除く「裁量的経費」は、国防費を5%増額する一方、教育費などの非国防費は5%削減を求めた。10年間で2千億ドル(約22兆円)のインフラ投資予算も要求し、追加の経済対策に意欲もみせた。ただ、メキシコ国境の「壁」の建設費も要求しており、議会審議は紛糾しそうだ。

教育費などの非国防は5%削減を求めた=ロイター

米大統領の税財政方針を示す予算教書は、施政方針である一般教書、経済情勢判断を説明する大統領経済報告と並ぶ「三大教書」の一つ。米国では税財政の立案・決定権は連邦議会にあるため、予算教書に強制力はないが、今後の議会審議のたたき台となる。

20会計年度の歳出全体は、前年度比5%増の4兆7460億ドルを見込んだ。社会保障給付など「義務的経費」は2兆8410億ドル、国防費や公共事業費などの「裁量的経費」は1兆4260億ドルとした。税収などの増額を見込んだものの、歳入は全体で3兆6450億ドルにとどまると分析した。

歳出で増額を求めるのは国防費だ。トランプ政権は中国やロシアとの対抗姿勢を強めており、国防費は19年度の7160億ドルから7500億ドルへと5%増額するよう促した。ただ、財政赤字は19年度以降、4年連続で1兆ドル超に悪化すると分析。教育や科学技術など非国防費は5%削減するよう求め、社会保障制度の改善なども合わせて10年間で2兆7千億ドルの財政改善を見込んだ。

予算教書では今後10年間の経済成長率を年3%前後と見込んだ。米成長率は大型減税の効果で18年こそ2.9%と高めだったが、国際通貨基金(IMF)などは減税効果が薄れる20年以降は1%台に低下すると見込んでいる。トランプ政権は強気の経済成長と税収増を想定することで、今後15年で財政赤字が解消できると主張した。

トランプ政権はメキシコ国境の「壁」の建設費として、20年度予算に86億ドルを計上するよう要求した。19年度は14億ドルにとどまり、トランプ氏は国家非常事態を宣言して国防予算などから計81億ドルを確保するとしている。トランプ政権は改めて正規予算に建設費を計上するよう求めるが、下院で多数派を奪還した野党・民主党の反発は必至で、9月に向けて本格化する予算審議は難航しそうだ。

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