電機連合、ベア1000円で妥結 人への投資、労使で相違

2019/3/11 18:26
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電機各社の労働組合が加盟する電機連合は11日、2019年の春季労使交渉で賃金改善に相当するベースアップ(ベア)を月額1000円で妥結する見通しだと発表した。13日に電機大手各社の会社側が組合側に正式回答する。ベア実施は6年連続となるが、労使で賃上げや人材への投資に対する見解に違いが出ていることも浮き彫りになった。

電機連合は11日、中央闘争委員会を開きストライキを実施するかどうか判断する回答引き出し基準(歯止め)でベアを月1000円とすることを決めた。日立製作所パナソニックなど電機大手6社は応じる方針で、1000円で妥結することが事実上決まった。

電機各社によるベアの実施は6年連続となる見通しで、累計1万円の賃金改善となる。11日に記者会見を開いた電機連合の野中孝泰中央執行委員長は「働く人の生活に直結する賃金が最も大切。だから月例賃金にこだわる」と語った。

米中貿易摩擦や中国景気の減速など世界経済への不透明感は強まるなか、ベアが継続したことも重なり「会社側は例年よりベアに慎重だ」と労組幹部は話す。

会社側は人材への投資として、ベアではなく退職金や子育てと仕事の両立、職場環境の改善などの待遇改善を主張。ベアにこだわる労組側と議論は平行線をたどった。野中氏は「春闘は賃金改善とそういった待遇改善をてんびんにかける場ではない。考え方の違いがあった」と話す。

今後はこれまで続いてきた業界横並びの労使交渉も見直しが進む可能性もある。電機業界では電機連合が要求をまとめた上で各労組が会社側と交渉し、会社側もベアの金額を一律にしている。ただ電機各社は業績に違いが出ているだけでなく、海外事業の拡大で国内外の賃金体系が異なるなど違いは大きい。

会社側は今後回答にばらつきが出る可能性を示しているほか、電機連合も「今年が終わったところで統一要求のあり方を一度総括したい」(野中氏)としている。

トヨタ自動車など自動車業界も経営環境の厳しさを背景に経営側は大幅な賃上げに慎重姿勢だ。主要企業が正式に妥結額を公表する13日の集中回答日まで詰めの協議が続く。

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