2019年6月18日(火)

春季労使交渉、13日に集中回答日 3つのポイント

3ポイントまとめ
コラム(ビジネス)
2019/3/12 6:30
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2019年の春季労使交渉が13日に集中回答日を迎えます。例年の交渉は給与の底上げを示すベースアップ(ベア)が主体でしたが、今年は賃上げの要求の仕方や働き方改革、人手不足への対応などにも論点が広がっています。なぜ変化が起きているのでしょうか。

春季労使交渉は13日に集中回答日を迎える(2018年3月の金属労協での回答ボード書き込み、東京都中央区)

春季労使交渉は13日に集中回答日を迎える(2018年3月の金属労協での回答ボード書き込み、東京都中央区)

(1)賃上げ、昨年水準は難しい情勢

米中貿易戦争や中国景気の減速などで経営環境の悪化懸念が強まり、会社側は18年よりも賃上げに慎重です。電機連合は月額3000円以上のベアを要求していましたが、18年の妥結額より500円低い1000円となる見通しです。自動車総連も「例年以上に厳しい交渉だ」と労使の隔たりを強調し、18年並みの賃上げを確保できるかどうかは不透明な情勢です。

14年からは政府の要請に応じる形で賃上げする「官製春闘」が続いていましたが、19年は政府はベアの数値目標を出しませんでした。連合はベア2%程度を基準として要求する一方、経団連は賃上げと総合的な処遇の改善を「車の両輪」と位置づけています。

春季労使交渉スタート 脱・一律賃上げ、処遇改善へ

トヨタ自動車の労使交渉はベアを非公開にする異例の展開に(5日のトヨタ労組決起集会、愛知県豊田市)

トヨタ自動車の労使交渉はベアを非公開にする異例の展開に(5日のトヨタ労組決起集会、愛知県豊田市)

(2)ベア要求額「非公表」の動きも

ベアを最優先にしてきた労組にも変化が見られます。自動車総連は19年からベアの要求額を示さず、月例賃金の絶対額を重視する方針に転換しました。「若手技能職で月32万3200円」など条件ごとに水準を示し、中小企業にもゴールを分かりやすくしています。実際にトヨタ自動車マツダの労組が、ベア要求額を非公表にしています。

背景にはベアを実施し続けても、大手企業と中小の格差が埋まっていないことがあります。大手と中小では勤続年数に応じて賃金が上がる「定期昇給制度」の差が大きく、絶対額を目指すことで、中小に定昇や賃金制度の見直しを促します。

トヨタとマツダ「ベア」額示さず、横並びも今は昔

(3)働き方改革も焦点に

19年4月には働き方改革関連法が施行され、時間外労働の上限などが規制されます。三菱重工業などの労組は、従業員が退社してから翌日の出社まで時間をおく「勤務間インターバル」の制度化を要求しました。人手不足で、残業時間の削減などを進めなければ良い人材を採用できないのは全業種共通の課題です。

大企業は20年から待遇差の是正を目指す「同一労働・同一賃金」も求められるため、パートの一時金を制度化する要求も増えています。生産性を高めて産業の競争力を上げるために、19年の交渉では抜本的な労使協議が求められている点も今春の交渉の特徴です。

春季交渉、働き方問う シニア雇用や残業削減焦点

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