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入居者らに募るいらだち レオパレス21の施工不良問題

レオパレス21で新たな施工不良のアパートが見つかった問題が波紋を広げている。発覚から1カ月余り。不備のある物件に入居する計約7700人が3月末までの退去を迫られ、ローンを抱える物件オーナーは入居率低下に不安を募らせる。会社側は家賃の一部や転居費の負担を提示するが、混乱は収まりそうにない。

記者会見で壁の施工について説明するレオパレス21の対策本部責任者(2月7日、東京都中野区)

「やっぱりか」。レオパレス21が施工不良を公表した2月上旬、埼玉県越谷市のアパートに住む大学3年の女子学生(21)はため息をついた。

隣の部屋の住民から「友人との会話がうるさい」と苦情が来たのは昨年秋。「小さな声で話していたのに」と不審に思い、同社に問い合わせたが「隣の人が神経質なだけでは」と取り合ってもらえなかったという。

施工不良が公表されると、同社から退去を求める書類が届いた。引っ越し業者は確保できたが、就職活動中でインターンシップや会社説明会に参加しながら引っ越し準備に追われる。

「就職のことで必死なのに集中できない。頭がパンクしそうだ」と女性。書面には「5カ月分の家賃と引っ越し代金を負担する」とあったが、支払い方法が示されていなかったと憤る。

「ブランドに傷がつき空き室が増えてしまう。あまりに不誠実な対応で困っている」。約15年前にオーナーになった千葉県の70代男性は肩を落とす。男性が所有する物件は修繕対象であることが判明。工事の見通しを尋ねたが、営業所の担当者は「本社の指示がない」と言うばかりで、計画が立たないままだ。

同社は建築を請け負ったアパートをオーナーから一括して借り上げ、入居者に転貸する「サブリース」事業を行っている。同社が入居者から家賃を受け取り、管理費などを差し引いてオーナーに賃料を払う仕組みだ。

男性は複数物件を保有し、建築費を工面するために組んだローン残高は数千万円に上る。最近、同社から「入居者が減ればオーナーへの支払金額を下げることもある」と言われたといい、男性は「契約当初はそんな説明を聞いたことがなかった。自らの不正を棚に上げて平気な顔をしている」と指摘した。

物件オーナーらでつくる「レオパレス違法建築被害者の会」は2月12日、国土交通省と金融庁の担当者と面会し、同社によるアパートの調査や修繕が適切に実施されるよう国に監視を求めた。

同会に参加するオーナーは増え続け、現在は全国で約200人。同社と調査や修繕の話し合いを重ねているが、前田和彦会長は「まず社長がオーナーに直接謝るべきだ。反省の色が見えない」と批判する。

前田さんは「まだ発覚していない手抜き工事があるのでは。膿(うみ)を出し切って、入居者が安心して住めるよう修繕を徹底してほしい。不正を見過ごした経営陣の責任も問いたい」と訴えた。

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