/

伝説的沈黙劇「水の駅」が新演出で登場

蛇口からしたたる一筋の水をめぐって、無言の人間がさまざまな姿態を見せる。国際的にも高く評価された1980年代の伝説的舞台「水の駅」が新演出で登場する。オリジナル演出の太田省吾は2007年に亡くなったが、演劇の弟子にあたる杉原邦生が挑む。

劇団転形劇場を主宰した太田は駅シリーズで、独創的な沈黙劇を築いた。81年初演の代表作「水の駅」は水場に現れては去る人たちが争ったり、愛撫(あいぶ)しあったりする。品川徹、大杉漣らの演技は極端に遅い速度と高い緊張を保ち、人間の実存を浮かび上がらせた。

再演出不可能とみられた同作に取り組む杉原は、劇団解散後に太田が教えた京都造形芸術大学で学んだ。「授業でゆっくり歩かされた」と笑うが、演出の試作を認められ、演出家になろうと決意。歌舞伎を現代化する木ノ下歌舞伎の「勧進帳」などで注目を集め、太田の旧作「更地」でも作意を同時代の感覚に焼き直し、鮮烈だった。

太田作品には韓国のキム・アラ、日本の三浦基らが再挑戦しているが、成功例は少ない。「水の駅」に至っては再舞台化の例もほぼない。27~31日の森下スタジオ(東京・江東)での公演は舞踊家の岩下徹らの配役で「いったん完全コピーし、自分なりに更新する」という独特の演出手法で臨む。

(内田洋一)

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン