2019年6月20日(木)

中古スマホ、格付けに壁 電池残量の判定難しく

2019/3/8 19:30
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中古スマートフォン(スマホ)の業界団体、リユースモバイル・ジャパン(RMJ)は8日、傷や汚れなどに基づく端末の品質格付け基準を発表した。業界統一の指標を設けて消費者が価値判断しやすくし、流通を活性化させる狙い。ただ消費者が中古スマホ購入で最も重視するバッテリーの劣化度合いは盛り込まれず、本格的な市場の立ち上げには課題も残った。

傷の多さなどを基に見た目を5段階に格付けする

傷の多さなどを基に見た目を5段階に格付けする

RMJは傷の量やボタンの感度、カメラの動作といった評価基準を示した。中古スマホの販売各社はこれに基づき、端末の外装を5段階にランク分けするほか、機能ごとの作動具合を表記する。中古スマホ最大手のゲオ(名古屋市)やブックオフコーポレーションなど11社が統一基準を年内に採用。国内流通の約8割をカバーできるという。

現在は販売各社が自社の基準で品質を評価しており、同じランクでも状態が大きく異なる場合があった。不透明だった基準を明確にし、複数の中古品を比べやすくする。8日の記者会見でRMJ代表理事、携帯市場(東京・千代田)の粟津浜一社長は「スマホ価格の高騰で中古品ニーズはますます高まっていくが消費者の不安が残っている限り市場は伸びない」と基準策定の狙いを話した。

新品に比べて3~5割程度安い中古品の流通拡大に期待をかけるが、なお課題も残る。一つが消費者の関心が高いバッテリーの消耗度合いが基準の対象外となっていることだ。調査会社MM総研(東京・港)によると2017年度の国内の中古スマホの販売台数は179万台。新品に占める割合は5%で、世界に比べて半分の水準だ。

中古スマホを買うことに抵抗がある理由として「バッテリーの持ちが心配」という声が多く上がる。RMJも当初はバッテリーの消耗度合いを格付け基準に盛り込むことを目指していた。ただ「端末メーカーが提供する残量測定機の流通が限られているほか、メーカー数が多くて基準を統一するのが難しかった」(幹部)という。

もう一つが国内での流通量の少なさだ。携帯大手3社の転売によって、国内市場に出回る中古品は極端に少ない。大手は契約者が利用中の端末を下取りしている。その規模は年間600万~1000万台に達すると言われ、多くが香港など海外に流れている。

公正取引委員会は携帯大手が国内流通を不当に制限していないか調べるため、中古スマホ各社などに聞き取りを始めた。ただ日本の中古スマホは状態が良いとして海外で人気が高い。海外のバイヤーは価格条件や台数規模など購買力が強く、ビジネスの観点から海外への転売を「不当」と判断するのは難しい。粟津氏は「国内企業の購買力が上がれば大手の下取り端末が回ってくる可能性がある。そのためにも国内の需要を喚起したい」と意気込む。

国内の流通を増やすカギになるのが下取りにも出さず、自宅で眠っているスマホだ。ゲオの試算では、そうした「埋蔵携帯」は国内に約2億3千万台あるという。ただデータがしっかり消去されるのかといった不安も多い。今回の統一基準を手始めに、売買におけるハードルを少しずつ取り除いていくことが市場形成に不可欠となる。

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