2019年3月24日(日)

中国・外商投資法 技術移転の強制禁止「抜け道」懸念も

米中衝突
貿易摩擦
中国・台湾
2019/3/8 19:01
保存
共有
印刷
その他

【北京=原田逸策】中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は8日、外資企業の投資を保護する外商投資法の最終案を公表した。米中貿易協議の一つの焦点である技術移転強制について「行政機関とその職員が行政手段を利用して技術移転を強制してはならない」とした。法律に記したのは一歩前進だが「抜け道がある」との懸念は残った。

全人代は8日、外商投資法の最終案を公表した(5日の開幕時の人民大会堂)=横沢太郎撮影

外商投資法は外資関連の3つの法律を1本にまとめたもの。昨年12月に原案を公表し、これまでに2度審議した。全人代が閉幕する15日に可決、成立する見通し。わずか3カ月での法案成立は中国では異例の速さで、中国が対米協議をにらんで譲歩姿勢を訴える思惑があるとみられる。

中国では外資企業が進出した場合、技術を中国企業に渡さなければ工場設立などの許認可がおりにくいと指摘され、米国が批判してきた。行政手段による強制禁止を法律に明記したことは一歩前進だ。技術移転の条件は投資の相手先企業との交渉で決めるが、最終案では「(交渉は)公平、平等の原則を尊重する」との文言を追加し、外資保護の姿勢をみせた。

もっとも強制の主体や方法について「行政機関とその職員」「行政手段を利用して」と限定する規定は原案のままだった。中国に進出した欧州系企業で構成する中国欧州連合商会は2月に「非政府部門による強制の可能性が残る」として「あらゆる手段による強制を禁止すべきだ」と提案したが、取り入れられなかった。

外資の合弁相手の国有企業が、地元政府の意向をほのめかして技術移転を迫ったりする抜け道が残ったといえそうだ。

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報